顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第35回「競合からいかに学び成長するか」
■競合は自社の成長にとってかけがえのない存在
競合分析はなぜ行うのか?競合とは自社にとってどのような存在なのでしょうか?競合は以下のようないくつもの理由で自社にとって大変重要な存在です。
- 自社の商品が顧客から引き出す顧客経験価値の独自性を比較する対象であること。自社の違い、独自性を考えさせてくれること
- 自社に常に緊張感と、生存や成長意欲を与えてくれる存在であること
- 共に市場をつくり、顧客に認知してもらい、拡大する仲間であること
- 自社と競合とサプライヤーやデュストリビューターを育成して、エコシステムを強く大きくすること(共生)
- 競い合い、学習しあう中で、互いの商品や事業が強くなっていくこと(共進化)
一方ライバルを意識するあまり、競合に打ち勝つことばかり考え、顧客から目が離れてしまう場合もあります。その結果、大事な顧客経験価値は放っておかれ、競合とのスペック競争となってしまっている産業も少なくありません。競合を常に意識し、競争意識を失わないことは大事ですが、その結果、それぞれの独自性を発揮し、互いに棲み分け、エコシステム自体が繁栄すれば良いと思います。
■競合の種類と最も脅威となる競合とは
競合にはいくつかのカテゴリーがあります。
一つ目は戦略グループというもの。これはある特定範囲で常に競争関係になっている競合商品です。例えば、自動車で言えば、同じセダンで排気量1500CCから2000CCのクルマという感じです。常に顧客の比較検討対象になっている競合範囲です。
二つ目は産業内競合です。真っ先には顧客の比較検討にはなりませんが、少し検討を進めると選択に入ってくる領域です。同じクルマの例で言うと、セダンだけでなくワンボックスカーやコストパフォーマンスのよい軽自動車までの少し範囲を広げた競合です。
三つ目は代替品、新規参入です。これは全く異なる業界ではあるが、顧客経験価値の奪い合いという点で競合になっている商品や企業です。これまでも述べてきましたが、市場において既存企業と呼ばれる存在の最大の脅威はこの代替品・新規参入です。
革新的な顧客経験価値創造という点では、自社商品が代替品、新規参入の存在となります。インターネット普及後の世界では、業界間競争、エコシステム間競争による破壊的な参入が今日の市場競争のメインだと思います。
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