顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第58回「スタートアップ文化を前提とした事業開発ロードマップの作成」
■これまでの事業開発ロードマップでは通用しない
これまでの事業開発ロードマップは、事業を行う側の全体戦略、機能別戦略をいくつかのフェーズに分け展開するのが一般的でした。事業の全体像もなく、技術開発だけというロードマップも多かったと思います。しかし多くの人がこのロードマップに疑問をもっていたのではないかと思います。なぜならこのようなロードマップには顧客の存在がないからです。事業とは顧客経験価値を顧客と共創するものと考えると、それがロードマップの真ん中にあるべきです。単に売手の理論を押しつけるような事業開発は今や全く通用しません。事業開発ロードマップは顧客経験価値のロードマップの作成が最初で、また中心であるべきです。
■顧客経験価値のロードマップを作成する
顧客経験価値のロードマップの原点は、企業と顧客が共有する世界観、フィロソフィーです。その世界観、フィロソフィーをベースに、5年、7年、10年といったロードマップのゴールの時点での顧客経験価値のあるべき姿を描きます。顧客経験価値のあるべき姿とは、感覚、感情、思考、行動、共感の5つの視点に関する独自の経験価値のデザインです。ロードマップのゴール時点での顧客経験価値は、3から5のフェーズで2,3年おきにロードマップとして描かれます。このように顧客経験価値のロードマップをしっかり作成することが事業ロードマップで最も重要なのです。
顧客経験価値のロードマップが作成できたところで、その顧客経験価値を顧客と共に実現するための方策が商品開発、マーケティング開発、技術開発、ビジネスモデル開発などの各機能のロードマップとなります。実際の顧客経験価値ベースの事業開発が難しいのは、この事業開発ロードマップが自社単独で展開できるものでなく、顧客との関係の中で共創してつくり出す面にあります。
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