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「商品・サービス企画の視点での商品・事業戦略仮説」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第14回

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

商品・サービス企画の視点での事業開発・商品開発の仮説とは、具体的にはっきりとした商品・サービスコンセプト仮説を企画することです。そのためにはこれまで仮説を検討してきたコアコンピタンス、市場イノベーション、顧客経験価値の3つの視点から商品・サービスコンセプト仮説を検討します。
商品・サービス企画コンセプト仮説とは具体的に何を検討すべきなのでしょうか。一般的にはあまり明確にされていませんが、商品・サービスコンセプト企画の骨子は最低限以下の5つのことと決まっています。

  • ターゲット顧客
  • 顧客のシーン、ニーズ
  • 商品・サービスの特徴
  • 提供形態(ビジネスモデル、流通形態)
  • 価格および顧客の負担するコスト

もう一つ加えるとすれば 

  • 基本コンセプト(商品コンセプトをひとことで言えば何か)

です。

これらのことは、既にコアコンピタンス、市場イノベーション、顧客経験価値の3つの視点での検討の際に想定してきたことだと思います。それをここで一気に明確にしておきます。

実際優れたビジネスパーソンは、常に結果としての「商品・サービス」はどのようなものかを考えています。それは技術とかビジネスモデル、顧客提供価値とは違います。実際顧客が購入し、利用してくれる商品・サービスそのものです。商品・サービスコンセプトを企画して、自分自身または他の人に評価してもらい、その結果としての商品・サービスを考え続けています。

しかし現実には、この商品・サービスコンセプト(概念)仮説がはっきりしていないことが多いまま企画検討を進められていることが多いと思います。その理由は、商品・サービスコンセプト仮説をはっきりさせてしまうと、売れるか売れないかが明確に評価され、結論づけられるからだと思います。
コアコンピタンス、市場イノベーション、顧客経験価値の3つの視点の仮説は事業戦略仮説に近いのでかなり抽象的ですが、商品・サービスコンセプトは、概念といえどもその内容がかなりはっきりしてきます。

よく考えると、この段階はあくまで仮説です。もし厳しい評価を受けたなら、仮説段階なのですからその評価の本質を理解し、修正すれば良いのです。実際は後工程のPoC(Proof of Concept:概念実証)の段階で、商品・サービスコンセプトは、想定顧客に厳しく評価され、修正されるのが普通です。さらには市場に出してさらに顧客から厳しい評価を受けるかもしれません。

結局商品・サービスとは、永遠に試行錯誤を繰り返していく終わりのない仕事なのです。完璧な商品・サービスコンセプトなどありません。また顧客の求める経験価値も常に変わります。本来企業も、顧客も継続して互いに学習し、それを共有し、進化・成長していく関係であるべきと思います。

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