研究活動

「モノやサービスは顧客経験価値を創り出す大切なパートナー」という仮説を検証するために、
専門、業界を超えたチームで創発的な研究活動行う

「顧客経験価値」の研究活動とは、素材、部品、完成品、ソリューションなど業種・業態にかかわらず企業や組織が提供するモノやサービスが、顧客(BtoB、BtoC)の感覚、感情、思考、行動、共感にどう関わり、どのような意味をもたらし、そして影響していくのかを分析するものです。そしてその分析結果をもとに時代がもたらす環境変化という大きな文脈の中で、製品・サービスそのものと、人や組織との関係のデザインを試みるものです。

「顧客経験価値」を議論するには、「時代がもたらす環境変化」、「人の感覚、感情、思考、行動、共感の基本的なメカニズム」「人と関わり影響を与える製品・サービス」の3つの理解が必要です。これらの理解には、政治、金融・経済、各種工学、医学、経営、人間心理、法律、倫理、国際関係など実に様々な専門知識や業界の知識が必要となります。そして専門性の違いを超えて議論するためには、明確な理念を共有した上で、高度なファシリテーションを通じて、それぞれの専門の有機的統合を試み、社会ビジョンをデザインすることが求められます。

ニューチャーネットワークスは、ヘルスケアIoTコンソーシアム、一般社団法人システムイノベーションセンターなどにおいて中核メンバーおよび事務局として参画し、多くの専門家、研究者との関わりを持ち、広く社会課題を認識した上で、この「顧客経験価値」という視点で、研究活動を行っています。

 

「働く」「学ぶ」「暮らす」も意味のある「経験価値」と考え、研究を進める

「経験価値」という概念は、企業が創り出す製品・サービスのみならず、我々個人の「働く」「学ぶ」「暮らす」も意味のある「経験価値」と考え、研究対象にしています。新型コロナウイルスなどの大きな環境変化の影響もあり、人が「働くこと」「学ぶこと」「暮らすこと」は、今、大きな転換期に差し掛かっています。過去の延長戦上の生活・仕事習慣では、仕事のパフォーマンスが低下したり、心身の健康がリスクにさらされたりする可能性も高く、時代の変化に合わせた行動変容が求められます。

ニューチャーネットワークスでは、「働く」「学ぶ」「暮らす」の経験価値を測定分析し、個々人に合った最高の経験価値を創り出すことを通じて、無理のない行動変容ができるように支援していくことを追求しています。最高の経験価値を通じた行動変容を実現するには、人と人の共感やつながり、金銭などの経済価値を超えた相互の贈与、遊びや仕事でのリズムをもった適度な刺激、心身の活動の不活性化を修正するタイミングよいアラートなど、実に様々な要素があります。したがって本研究には、専門領域の統合だけではなく、目的を持ったリーンな実証実験が必要で、研究のための機動的なパートナーシップが重要と考えます。