社長メッセージ

「優れた業績を出し続ける経営者やビジネスリーダーは、5、6年先が具体的に見えているわけではないが、社会や産業を変革するパーパスと企業の長期的な展望から、今やるべき戦略課題に全力で集中している」

ビジネスはもちろん、スポーツ、芸術、社会活動そして人生において最も重要なことは、この一言に尽きるのではないでしょうか。かけがえのない大切な課題に全精力をかけて挑戦することを通じて、結果として高いレベルの技術力、マネジメント力、リーダーシップ力が身につきます。

ニューチャーネットワークス(Nuture Networksは、日本経済がバブル崩壊後、多くの金融機関さらには製造業が苦境に陥り、まったく先が見えない状況において、1996年1月、私一人で創業しました。先が見えない一方で、インターネットが急速に普及し、世界中のあらゆるものがネットワーク化され、産業革命以来の社会の大きな進化への希望がありました。

社名は「ネットワークダイナミクスコンサルティング」(2002年にニューチャーネットワークスに社名変更)とし、あらゆるものがネットワークされる中で、人、組織、技術、文化などの固有の価値を活かし、新たな価値観、社会構造、組織などをダイナミックな文脈で再編集していくことを支援し、またその中心に居続けたいというのが私の思いでした。

当時、経験不足だった私や会社の仲間に挑戦の機会を与えてくださったお客様は、まさに冒頭で申し上げた「明確なパーパスから、今やるべきことは何か?」を考え抜き、挑戦し、悩み続けていた方々です。あれから四半世紀以上経過し、ニューチャーネットワークスは今も、創業当時と同じマインドを持ったお客様に支えられている会社です。

創業時から時代は予想以上に大きく変わりました。現在はあらゆる分野でDXが進み、グローバルの隅々までネットワーク化され、オープンな社会構造、産業構造に変化し、競争環境は当時とは全く変わりました。いま我々に問われているのは、あなたの組織、あなた個人の「独自のパーパスは何か?」です。まさに社会での存在意義が問われているのです。しかし、固有の価値、存在意義とは、単独で存在するものではありません。周りとのかかわり合いの中で見出し、創り出していくのが現実です。

そのような時代において、戦略コンサルティングのプロチームとしてのニューチャーネットワークスの仕事は以下の3つと考えます。

  1. 変化するグローバルネットワーク社会の未来(Future)のビジョンをもち、発信すること
  2. お客様のテクノロジー、専門知識、スキル、そしてそれを支える優れた人の固有の価値(Nature)を発見し、勇気づけ、育成すること
  3. お客様の独自の価値をネットワーク(Network)化し、革新的な技術、製品・サービス、ビジネスモデルを創り出すこと

この3つは社名でもあり、また弊社のビジョンそのものです。

最後に、冒頭の話に戻りますが、恥ずかしながら戦略コンサルティングといえども、残念ながら5、6年先が明確に見え、確実な環境変化を言い当てることはできません。しかし、お客様にとって今何が重要かという戦略課題の発見と、その課題解決に全力を注ぎ、明確な成果を出すことについては、どこにも負けません。

ニューチャーネットワークスは、このきわめて厳しい仕事を通じて我々自身が成長し、それが皆様の成長と好業績に結び付けられればと願い、日々努力していきたいと考えます。

 

【高橋 透 略歴】

上智大学経済学部卒業後、旭硝子株式会社(現AGC株式会社)入社。セラミックスのマーケティング、消費財の新商品開発、広告宣伝を担当。その後大手コンサルティング会社を経て、経営コンサルティング会社“ニューチャーネットワークス”を設立し、代表取締役を務める。

専門は研究開発戦略、新製品・新事業開発、エコシステム・ビジネスモデル戦略、顧客経験価値開発など価値創造領域。その一方で技術開発、製造現場のボトムアップ力強化と組織体質改革のためのブレークスループロジェクトを展開。これまで国内外で1000以上のプロジェクトを経験。

2010年より上智大学非常勤講師(経済学部:コンセプトメイク、全学共通:グローバルベンチャー)。2016年より「ヘルスケアAIoTコンソーシアム」理事。

主な訳書、著書に「顧客経験価値を創造する商品開発入門」(著、中央経済社) 「デジタル異業種連携戦略」(著、中央経済社)「技術マーケティング戦略」(著、中央経済社)「勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法」 (著、中央経済社)「90日で絶対目標達成するリーダーになる方法」(著、 SBクリエイティブ) 「GE式ワークアウト」(デーブ・ウルリヒ他著、共訳、日経BP) 「ネットワークアライアンス戦略」(共著、日経BP) 「事業戦略計画のつくりかた」(著、PHP研究所)、「図解でわかる・技術マーケティング」(共著、JMAM)、「出口戦略に基づく研究開発テーマの設定と事業化への繋げ方」(共著、技術情報協会編)、「後発勝つための研究・知財戦略と経営層への説明・説得の仕方」(共著、技術情報協会編)などがある。
日本能率協会「JMA MANAGEMENT Vol.8 No.5」に「デジタル異業種連携」を成功させるために寄稿。技術情報協会「月刊 研究開発リーダー」など寄稿https://amzn.to/3KIUiiM多数。日経BP社プレミアムサイトに5年間、日経産業新聞WEB「企業マネジメント最新トレンド」へコラム執筆。
ニューチャーネットワークスコラムサイト「グローバル・エイジ」にてコラム執筆多数。(メールマガジンのご登録はこちら

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