顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第18回「新たなインスピレーションは現場観察(エクスペリエンス調査)から生まれる」
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
■現場とは何か、意外に説明が難しい
顧客経験価値を構想するためには、顧客が商品を購入したり、使用したりする場だけでなく、例えば消費者であれば日常生活や仕事の場を広く観察し、人の暮らしの文脈を把握する必要があります。その際に効果的なのが現場観察です。
「現場」という言葉の定義はなかなか難しいと思います。リアル、フィジカルであれば全て「現場」なのかと言われればそうとも限らず、インターネットをつかって何かをする場も「現場」と考えることも出来ます。例えばSNSで会話していれば、ネットを媒介にしてはいますが、リアルタイムで会話されていてそこは一種現場と言えなくもありません。
私は現場を「人がアクションを起こし、それに対して発生する人や物、自然のリアクションや、そこで同時に発生する人間の感覚、感情、思考などが交差するところ」と定義づけています。
現場は常に動いていますが、記録された情報やデータは静止しています。現場は常にリアルタイムで変化しています。情報やデータとはその現場で発生した象徴的な一部を切り出し表現したものです。現場は複雑で、重く、区分がしにくく、情報やデータは整理分類したり体系化したりしやすいという特徴があります。現場の状態を情報化、データ化することとは、何かの視点で、現場の状態をわかりやすく言語や数値で表現することです。
新たな顧客経験価値を探し出すということは、現場でまだ整理されていない潜在的なものを発見することですから、現場を新たな視点で観察することが必要となります。
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