顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第20回「異業種の視点が新たな文脈を創造する」
■新しい顧客経験価値は一業種では生まれない
新しい顧客経験価値を生み出すのはなかなか難しいことです。その難しさの1つに一業界の限られた範囲で考えてしまうことが挙げられます。多くの既存市場、業界の商品・サービスは成熟し、顧客にとって当たり前のものになっています。同じ業界の範囲の中で新たな技術開発、商品・事業開発を行ったとしても、すぐに競合他社は似たようなものを出してきます。なぜなら業界の中で開発の方向性がある程度決まってしまっているからです。技術イノベーションが売上や利益につながらないことをハーバードビジネススクールのクリステンセン教授は「イノベーションジのレンマ」と呼びました。リーマンショック、東日本大震災、新型コロナショックと、日本企業にとって厳しい環境変化が続き、多くの企業は選択と集中の方針の下で多角化事業から撤退し、本業に集中しました。その結果、業績はある程度安定しましたが、イノベーションのジレンマで利益は上がりません。同時に経営者の視野が狭くなり、管理思考も強くなった結果、新たな発想が生まれにくい状況になりました。これは日本企業だけでなく、多くの先進国の老舗の大企業が直面している壁です。
そこで注目されているのが異業種連携戦略です。異業種連携戦略とは、異なる業種が連携して新しい商品・事業を開発する戦略です。老舗の既存企業の強みは、技術や設備、顧客、販売チャネルなどの膨大な資産です。その強みを組み合わせて、新たな商品・事業を創り出すのです。会社によってはオープンイノベーションというキーワードで異業種連携を進めているケースも多くなりました。
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