顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第36回「PoCは経営者やプロジェクトリーダーの本気度を表している」
■PoC(概念実証:Proof of Concept)とは何か
PoC(概念実証:Proof of Concept)という言葉が最近よく使われています。以前からマーケティングではコンセプトテストなどと言われていましたが、このPoCは少し背景が異なるようです。
PoCはそもそもスタートアップビジネスや企業の新事業開発で、新しく企画した商品、事業のコンセプト全体、もしくはその一部の要素を市場で検証するものです。米国のスタートアップコンサルタントのエリック・リース氏が提唱する‟リーンスタートアップ”の中でも、ビジネスのありたい姿、ゴールの成功要因をバックキャストで考え、PoCで検証することの必要性を述べています。
■PoCが普及した背景
PoCという手法が普及したことにはいくつかの背景があると私は考えています。一つは、スタートアップ企業は、既存市場を破壊するような新事業、新商品を企画、開発しますが、そういった事業は過去誰もやったことがないため、市場規模や市場ニーズはドキュメントで調査しても算出することはできません。そこで市場性を証明するために、PoCを企画、実施して市場の可能性を検証し、投資家に訴えかける必要があったからです。また投資家も、過去の資料で市場性を検証することもできないので、そういったPoCで検証した結果でいち早く投資意思決定をし、ともに事業化を推進したのだと思います。そしてもう一つの理由は、既存市場が飽和し、革新的な顧客経験価値を生み出す商品が求められているからです。革新的な顧客経験価値とは、顧客の中の感覚、感情、思考、行動、共感の文脈が新たに生まれることです。どのように認知され、顧客経験価値がつくられ、他者に伝搬、共有されるかは実際に試してみないと解りません。そこでPoCという方法で、顧客経験価値を把握するために普及したのだと思います。
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