顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第7回「プロジェクトの実施スケジュールと予算を見れば経営者の本気度が解る(前半)」
戦略に対する経営者の本気度を確認するには、予算やスケジュールなどの資源配分を見ればわかると言われています。いくら立派な戦略でも、資源配分が伴っていない場合は、経営者は本気ではありません。その戦略は評価に値しないと思います。
商品開発のプロジェクトのスケジュールと予算配分も同様です。会社の戦略的重要性に応じた資源配分をすることが大変重要です。多くの会社が例年ベースの予算の調整によって予算と人員配置はじめスケジュールが決められています。この例年ベース思考が日本企業の低迷の原因の一つといっても過言ではありません。
一方で、潤沢な予算と時間があれば成功するかと言えば、そうでもないことも多いのです。予算や時間はその必要性を厳しく精査することで、プロジェクト活動自体が緊張感のある引き締まったものになります。
このようなことを踏まえると、商品開発プロジェクトのスケジュールと予算計画では以下の様なことが大切です。
① バックキキャスティングで計画する
「スケジュールは右から引け」とよく言われていますが、最初にプロジェクトの最終的な結果である「ありたい姿」とその期日を設定して、その結果を生み出すために誰が、何をいつまでにやるべきかということをワークブレークダウンします。このような発想、思考方法をバックキャスティングと呼びます。バックキャスティングでスケジュールをつくる意味は、最初に「ありたい姿」の仮説を明確に描くことと、これまでの発想を変えた時間、成果意識とその達成方法を生み出すことです。実際に仕事をしてみるとバックキャスティングで発想する人はかなり少ないのが現状です。いくつか理由がありますが「ありたい姿」を描くこと、過去の方法を捨て新しい方法を試すこのことに不安さがあったり、面倒だと考えたりするからだと思います。
バックキャスティングの反対はフォアキャスティングです。フォアキャスティングは日本語でいえば積み上げ式で、すでに実施方法が明確で単純なプロジェクトに向いています。商品開発プロジェクトは、新規性、革新性が重視されますので、バックキャスティングでスケジュールを描きます。
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