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コア技術を生かした革新的価値創造とは

強いモノづくり企業にはコア技術戦略がある②

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

世界で成功している「強いモノづくり企業」を分析すると、共通する特性がいくつか浮かび上がってきます。一つずつ見ていきましょう。

特性①「自社のコア技術をベースに展開している」
コア技術とは本業を支える基盤となる技術を言い、「基盤技術」と呼ぶ場合もあります。ただ、当の社内で働く人にとって、このコア技術はあまりにも「当たり前」のものであるため、その威力や可能性に気づいていないケースも少なくありません。コア技術には多くの資源が投入され、それを支える人材も常に多数育成されて活躍しています。それらの人材が生み出す知識やアイデア、課題解決力は、専門外の他社には簡単に到達できないレベルであるはずです。

強いモノづくり企業は、新技術に飛びつくよりも、このコア技術を重視します。それを様々な観点から検討し直し、新たな機能を発見し、進化・発展させることで、他社に真似できない独自のモノを創り出すのです。個人で言えば、自分の強みを認識すること、自信を持つことが重要なのと同じです。

特性②「コア技術を新たな市場・顧客の観点から再定義している」
コア技術は、既存市場・既存製品だけで利用している場合、ほとんど進化しません。毎年多少の機能アップを施すだけで、あとはコストダウンに依存するような事業においては、コア技術は衰退する一方です。では今一度、コア技術に独自の価値を見出し、新たな進化につなげるにはどうすればよいでしょうか。それには、新たな市場・新たな顧客と接点を持ち、その要望に応えることです。そのような市場・顧客との関係の中でこそ、コア技術に対する新たな認識が生まれ、コア技術を再定義できるようになるのです。

HondaJetは、バイク・自動車産業におけるコア技術の意義を、航空機産業の中で再定義することで、大きなイノベーションを起こすことができました。個人で言えば、自分の強みが生きる「場」を設定し、そこから自分の強みを再定義した、ということになります。 

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