技術マーケティング戦略仮説を発想する
技術マーケティング戦略とは①
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
■ビジネスの成功法則が変わった
時代の変化とともに当然、ビジネスの成功要因・成功法則も変わっていきます。しかし、過去に通用した成功法則のままビジネスを続けている企業・組織が少なくありません。例えば多くの企業が抱える「低価格化による成長鈍化」という悩みは、新たな成功要因をきちんと把握・理解していないために起こると考えるべきです。
皆さんが今、関わっているビジネスの成功要因はどのようなものか考えてみてください。
- 魅力的な製品・事業ポートフォリオを持っている
- 魅力的な顧客・市場を押さえている
- 豊富な資金がある
- 優秀な経営者がいる
- 重要な設備を持っている
こうしたことは、たしかに現在における成功要因かもしれませんが、将来にわたって成功要因であり続ける保証はありません。

例えば、かつての自動車部品産業においては魅力的な製品・事業ポートフォリオが成功要因と言われていましたが、国内市場が縮小し、EV化が進む現在、それらはかえってリスクの高い資産と捉えられるようになっています。また、それら製品の製造設備や技術・技能も維持するだけで莫大なコストがかかりますし、過去~現在の基準では「優秀」な経営者も、経営者自身が変化できなければ、将来は逆にリスク要因となり得ます。
過去の成功要因・成功法則の多くは、自社優位性の「固定化・安定化」に寄与するものでした。しかし、インターネットが生活必需品化し、生成AIが急速に普及する現在は、社会も経済も常に変化しており、将来の動向が極めて予測しにくい状況にあります。このように変化が常態化する中での成功要因とは何か、改めて考えなければなりません。
先に結論を言えば、「変化・変動そのものを戦略とする発想・思考」こそが、これからの成功要因であると考えます。固定化・安定化を脱し、自ら変化・変動を起こすことがとても重要になってきているのです。



