顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第22回「人の心の状態とは一瞬の出来ごとであり、時間的な流れでもあり、ストーリーでもある」
■人の心は簡単には解らない
人の心の状態とは一瞬の出来ごとでもあり、また周りの様々な影響を受けながら一連の時間的な流れで生成されるものでもあります。そして振り返ってみるとストーリーとしてより深い意味が生まれることがあります。
簡単な例です。ある男性が奥さんの誕生日に慣れない料理を行ったケース。レシピサイトをみて、自分なりの工夫を考え、スーパーで材料を購入した。しかし買い忘れに気づき、再度スーパーに買いにでかけ、「ああ~大変」と思う。料理を開始し、途中まで順調だったが、塩の分量を間違え、水を加えたら、なんか味の引き締まりがなくなり・・・。「おいしくないと言われたら」と不安に。苦労して3品つくり、テーブルに並べ、奥さんと子供2人が食卓に着く。自分はぐったり疲れている。「こんなことなら何かプレゼントにしておけば良かった」と後悔も。夕食が始まり、奥さんが「これほんとにパパつくったの?おいしい!!」子供もつられてか「毎日食べたい」「パパもやればできるね」と褒め言葉。「やっぱり料理で良かった」と最後に思った。同時に朝からの苦労もなにか楽しい経験に思えてきた。
この男性に、食事終了後、「奥さんの誕生日に料理をしてあげて良かったですか」と聞いたら「とても良かった。気持ちが伝わった」を答えてくれるはずです。しかし料理の途中で質問したら、その反対の答えが返ってくるかも知れません。
スポーツなどもやっている課程は苦しみ以外の何物でもないのですが、終わった後の達成感でとてもよい経験として記憶されます。人生も同じで、人並み以上の苦労と不幸があっても人生の最後に良いことがあれば、「自分の人生は良い人生だった」という経験になると言われています。人の経験とそこから生まれる心の状態は簡単には解らないものです。
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