
「第五の競争軸」(2)
■第5の競争軸の台頭
「競争軸」とは、それぞれの時代において、企業として生存・発展できるか否かを左右する最も重要な経営要因である。古今東西、重要な競争軸だったといえる「自己変革力」(つまり、抜本的な革新を自ら興し、続ける経営能力)に加え、20世紀後半の市場においては、「マーケットシェア」「価格・根付け」「品質」が主要な競争軸だったといえる。第4の競争軸である「品質」は、まさに日本企業が極められてきた競争軸でもあり、ゲンバ、カイゼン・マネジメント、カンバン方式などといった日本語は、世界共通のビジネス用語にまでなった。
しかし、社会・環境制約の変化を受け、21世紀市場においては、これら4つの競争軸に加え、第5の競争軸をマスターすることが求められている。図2のように、この競争軸を「環境革新(グリーン・イノベーション)+持続可能性の追求(サステナビリティ)」と捉えることができる。
図2:企業の生存・発展を左右する5つの競争軸
第5の競争軸の台頭は、企業の規模を問わず、また国内を対象市場としていようが、グローバル市場に進出している企業であろうが、経営に影響を与えている。その度合は、業種によって濃淡こそあるものの(化学や重工業の企業は、サービス業の企業より直接的に影響を受ける)、基本的な原理・原則や時代の要請が変わるものではない。環境に対して、これまでの延長線上ではなく、革新的に、且つ、市場における差別化を図りつつ取り組むこと。そして、企業として、社会の健全で持続可能な発展に貢献・寄与するための意思と戦略をもち、揺るぎなく行動を続けること。この2つはセットで、これから企業として選ばれ、そして選ばれ続けるか否かの重要な決め手となるのである。そして、幸いなことに、この競争軸に取り組むことは、市場から”積極評価”されるようになってきている。つまり、お客様と投資家からも、グリーン・イノベーションの創出に努め、事業を通じて、新たな社会価値を目指す企業に対して、優先的に取引をしようという意向と行動が表面化している。
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