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顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第34回「SWOT分析あたりから戦略発想が停滞するのをどう打破するか」

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

■自前主義の発想は行き詰まりの原因

SWOT分析は事業戦略のフレームの中で最も古典的でポピュラーなもので、多くの方が使った経験があると思います。しかし、SWOT分析に至るまで、マクロ環境分析、有望市場分析、ターゲット顧客分析、競合分析などを一通り行ってきていますが、このSWOT分析あたりで戦略発想が停滞することが多くあります。SWOT分析は分析フェーズと戦略フェーズのちょうど折り返し地点ですが、この時点で可能性と制約条件が整理されると同時に、戦略の方向性が限られてくることも多く、その中で現実的な戦略を求められるため、壁にぶち当たり停滞するのだと思います。

私の経験からですが、その戦略発想の停滞の原因の多くは、自社で全てを行おうとすること、自前主義へのこだわりです。この自前主義は、特に顧客経験価値重視の商品開発を志向しているのであれば矛盾した話です。なぜなら顧客経験価値重視の商品開発の戦略のキーは、どのようなエコシステム、そしてビジネスモデルを構築するかだからです。つまり自社にとって効果的なパートナーといかにアライアンス、コラボレーションするかを考えることが必要なのです。

従ってSWOT分析は、自社の商品の自前の経営資源による成功ではなく、企画した独自の顧客経験価値を実現、発展させるために、いかに有利なエコシステム、ビジネスモデルを構築できるかという視点で分析し発想しなければなりません。

その発想に立ち、自社の強み、機会を見直せば全く異なる発想が生まれるはずです。自社の強みがたとえ限られたものでも、それを活用したいパートナーとの提携に大きな機会があるはずです。また魅力的な顧客経験価値を構想できてさえいれば、それに賛同してくれる顧客セグメントを機会にできるかも知れません。もちろん大きなセグメントでなくニッチであっても、他のセグメントに大きな影響を与えてくれる存在であれば、機会は大きく広がる可能生があります。

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2015年1月20日発行
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