顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第32回「市場そのものを代替(置き替える)できるかという発想が大事」
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
■顧客経験価値重視では「既存市場そのものを代替(置き替える)できるか」という視点で市場分析する
一般的に有望市場分析とは、自社が参入すべく、規模が大きく成長している魅力のある既存市場を分析することを指します。しかし顧客経験価値重視の市場分析では、「既存市場への参入」よりも、「既存市場そのものを代替(置き替える)できるか」という視点で市場分析します。
なぜなら顧客経験価値重視の商品開発では、顧客の限られた時間とお金が使われる顧客経験価値を、異なる業界と競争し代替したり、時には共生することで市場参加しようとしたりするからです。もちろん同じカテゴリーの中での競争はありますが、顧客経験価値重視の商品開発では、市場ごと代替する考え方が強いのです。
自動車産業は、スマートフォンなどの情報通信産業やゲームなどのコンテンツ産業と競争していると見ます。競争を空間と考えると住宅やオフィス産業とも競合と考えられます。スマートフォンでSNSやゲームを楽しめばクルマへの支出はしないし、住宅をリフォームすれば、家にいる時間を楽しみ、クルマはあまり使用しないでしょう。
従って企画した商品の有望市場とは、代替可能性市場を指します。その代替市場を探すには、まず自社商品の顧客経験価値を定義して、その顧客経験価値を取り合うと予想される他の商品やビジネスモデルをリストアップします。その顧客経験価値を取り合っている市場を有望市場と見立て、そこからの代替を狙います。
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