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「予想もしなかった驚き」を提案する人や組織が活躍する時代

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

■若い人は世の中の流れと会社の実態のギャップに諦め感さえある

 最近仕事で20代、30代のひとたちと話していると、スマートフォンを使いこなし、ローコストキャリアや民泊を活用して海外旅行を楽しんだり、趣味のネットサイトで出会った友だちと盛り上がったりしている一方で、会社の仕事は全く面白くないということを聞くことが多くなりました。理由を聞くと「会社が20年以上同じ業界で同じことをしていて。自分の周りも何の変化もない」と言います。
 消費者として楽しむ自分と、縦割りの既存業界で、そのまた会社組織の縦割りの中で、「長い間、本質的には何も変わらない職場」との間に大きなギャップがあるのだと思います。そして「会社辞めても不安だから、まあこのままでいる。会社には期待しない。」といった、本当の自分は押し殺して「言われたことだけをやる従順な社員」が生まれていきます。

■「予想もしなかった驚き」の莫大な潜在力に注目せよ

 上記のようなことは若い人に限ったことではありません。しっかりした考えを持ち充実したライフを持つ人は、年代にかかわらず、同じようなギャップを感じ、仕事で実力を発揮しない、出来ないままでいるのかもしれません。
 しかし私はこのような状況が世の中に溢れているからこそ大きなチャンスなのではないかと考えます。それは仕事で「予想もしなかった驚き」を提案することです。多くの人が仕事を楽しんでいない、ならば、社内そして顧客に「予想もしなかった驚き」を提案すれば、強い共感を持ってもらえるのではないかと思います。
 それは何もB2Cビジネスに限ったことではありません。B2Bビジネスでも十分に通用すると思います。また社内の何かの企画でも良いのです。

■「予想もしなかった驚き」が成功する理由

 しかしながら、「そんなこと提案すると社内で浮いてしまう・・」といった心配も出てきます。でも本当にそうでしょうか。これからの時代に何が起こるかを冷静に考えれば「予想もしなかった驚き」は大変重要なビジネス戦略であることが分かります。
 具体的にはIoTやAIの浸透です。既にバズワードとも言われなくなったIoT、AI。しかしそれだけに徐々にあらゆる産業に浸透してきています。
 IoT、AIが浸透して何が起きているのか?業界を超えた連携、ビジネスモデル、そのためのプラットフォームができあがり、これまでの業界縦割りでは実現しなかった新たな価値の製品・サービスが次々と生まれてきているのです。それらの多くはおそらく「予想もしなかった驚き」であろうと思われます。

■注視すべきは「モノ」ではなく「コト」、機能ではなく人の「ココロ」

 さて、そういった「予想もしなかった驚き」の時代に注視すべきなのはどんなことでしょうか。縦割り構造の中でつくられた「モノ」だけでなく、様々なモノとサービスを組み合わせた「コト」、つまり顧客の経験価値です。また「モノ」の機能ではなく、それを使う人の「ココロ」です。
 「コト」や「ココロ」といった経験価値を理解するためには、論理思考だけではダメです。人の感情を理解する力、全体のコンセプトやイメージを想像する力が人、そして組織に必要になります。
 そういった意味では、多くの企業は、組織のDNAを変えるぐらいのことをしていかないといけないような気がします。「仕事を心から楽しむ」「本音で議論する」「気持ちで捉える」といったDNAです。

■「予想もしなかった驚き」をつくり出す人になるためには

 「予想もしなかった驚き」をつくり出す人になれば、自分も周りも毎日が楽しくなります。そのためには、日常どんなことをしておけば良いのでしょうか。3つあると思います。

その1:困難な苦しい状況をチャンスと考え、そのときにこそ周りを楽しくする「予想もしなかった驚き」を発想する

その2:毎日驚きのネタを仕入れるために、できるだけ自分と異なる年代、職業、立場の人と繋がる

その3:毎日1つ以上驚きのネタが見つかりそうな場所に行ったり、何かにトライしてみたりして行動をする

 つまり人にとっての「予想もしなかった驚き」とはピンチをチャンスに変える逆転の発想であり、立場を変えてものを見ることであり、毎日の小さな挑戦なのだと思います。

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