
実用化を目指して微生物とともに20年、まだ道半ば 奥深き微生物の世界
「優れた技術者は、際だったシーズの開発だけでなく、それを事業化するまでのマーケティング、生産、顧客サービス、資金調達まで、全てを粘り強く進める」
これは、企業での技術開発支援をしてきた経験から言えることです。しかも事業化までに相当な時間を要し、その間は孤独に耐えなければならないという過酷な道のりです。しかし、優れた技術者にはそういった困難さをも乗り越える、技術に関する夢、展望、こだわりがあります。
今回のコラムでは、6月29日開催の『エコシステム・ビジネスモデル企画構想 実践セミナー』の講師をお務めいただく電源開発株式会社の松本光史様に、微細藻類の研究と新事業開拓についてご執筆いただきました。松本様はアカデミック分野において優れた微生物研究者であると同時に、素晴らしいビジネスモデル・エコシステム構想力と実現力をお持ちの優れた事業家でもいらっしゃいます。本コラムでは、松本様が歩んでこられた研究開発とその成果の事業化の難しさや醍醐味についてご紹介いただいております。研究、新事業開発に携われている方を中心にご共感いただけて励みにもなる内容となっておりますので、是非ご一読ください。
ニューチャーネットワークス 高橋透、山内梓
はじめに
微生物を扱い始めてもう20年が過ぎようとしています。割と早くに将来目標として研究者として生きて行きたいと思い立ち、微生物研究の世界に飛び込みました。微生物は人間にとって“悪い微生物”か“良い微生物”かの違いだけで判断されていますが、地球環境への影響まで含め、まだまだ解き明かされていない未知なる領域です。大学では人間にとって良い微生物を見つける技術を学び、多くの微生物と接し、有用機能を有する微生物を見つけてきました。一方で、自分の見つけた微生物の有用機能を実社会に活かすべく、実用化したいという気持ちが強くなり、大学を出てから現企業で微生物の利用研究を進めてきました。
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