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組織能力の強化とグローバル・マネジメント人材(1)

ジャイロ経営塾代表 ワイ・エイ・パートナーズ株式会社 代表取締役
秋元 征紘
日本企業がグローバルに躍進するために、人材・組織戦略としてなにが必要なのか。
 
(株)ナイキ・ジャパン、ゲラン(株)など外資系企業4社で経営トップを歴任された秋元様に、そのヒントをお示しいただきました。
カーネル・サンダース、フィル・ナイトなど著名な経営者との仕事を通じて得られた、「ピープルズビジネス」「感情的な絆」などの経営哲学のエッセンス。

今まさに世界へ勇躍する企業の皆様に、ご参考にしていただければと思います。

ニューチャーネットワークス 張 凌雲

(本稿は、2011年1月19日の弊社賀詞交換会で秋元様にご講演いただきました内容を基にご執筆いただきました。)

ご紹介いただきました秋元です。さっそく本題に入らせていただきたいと思います。
お時間の都合もあるようですし、この後に賀詞交換会もありますので皆さんの気分が乗るくらいのところでやめておこうと思います。
 

■はじめに

簡単にプロフィールを紹介させていただきますと、キャリアの最初の10年間くらいは日本精工(NSK)の海外事業部門に在籍、その間にニューヨークとトロント駐在が8年程でした。
 
その後1980年から93年までケンタッキーフライドチキンに。創業して10年くらいの日本KFCで、売上300億円くらいの時代から、私が辞めた93年には二部上場を果たして、グループ売り上げが1,480億円くらいの規模になった、そういう大成長時代にちょうど14年間くらい在籍しました。たまたまなのですが売り上げも利益も二桁で増えて、店も300店から1,050店になるという、そういう時代の日本KFCを経験しました。
 
それから日本ペプシ・コーラ。日本KFCは三菱商事とKFCの合弁会社でした。アメリカ側の親会社はM&Aの結果、ヒューブライン、R.J.レイノルズ、ナビスコと変遷、最後の株主がペプシだったわけです。実は87年頃シドニー大学留学時代の友人から私に、日本ペプシ・コーラ副社長のお話を頂き、いろいろ検討の結果断ろうとしていたところKFCがペプシに買収されるという事件が起こりました。結果としてやむなく日本KFCから日本ペプシ・コーラに出向することとなりました。
 
1993年からナイキ・ジャパンで2年ほど社長を務めさせて頂き、その後LVMH(Moët Hennessy‐Louis Vuitton)グループのゲランでは11年間の社長・会長を務めさせていただきました。
振り返ってみますと日本の企業の海外オペレーションを10年、そしてアメリカの企業との合弁会社あるいは日本法人での10数年、そしてヨーロッパ企業の日本法人での11年といったキャリアです。
 
今日のテーマは「グローバル社会で生き残る会社と人材をつくる」ということで、出来るだけ実体験に基づいた「学び」をベースに、このテーマにそって私たちのご提案のお話をさせていただきたいと思います。
 
 
このようなキャリアを通じて私にとって非常に幸運だったことは、4人の世界的な成功を収めてた中興の祖、あるいは創業の社長と直接仕事をするという機会を得る事ができた事だと思います。そしてその前に10年間在籍した日本精工(NSK)では、当時財界四天王の一人と呼ばれた今里廣記社長にご指導いただいていたわけですから。
 
 
このような体験を通しての学びの中から4つほどエッセンスを申し上げたいと思います。
 
まずはKFCの創業者のカーネル・サンダース。この人からは「人は感情的な動物・理屈のみでは動かない」。 
そしてペプシ・コーラの中興の祖でありのちにペプシコの会長になった、ロジャー・エンリコ、彼からは「ビッグ・アイデア/新結合による創造的破壊」のすごさを学びました。
そしてナイキの創業者社長のフィル・ナイト、彼からは「消費者・社員との感情的な絆の構築」が大切だということを学んだと思います。
そして更にLVMH(モエ・ヘネシー-ルイ・ヴィトン)グループの創業者社長のベルナール・アルノー。このグループの傘下にゲランも買収され、その最初の日本法人社長をやらせていただいたわけです。彼からは「創造的な情熱と規模の経済・規模の不経済」というコンセプトを学びました。
 
 
この4つの学びについては本にも書かせていただきましたし、講演等でもお話させていただいています。少し手前味噌になって申し訳ありませんが拙著が3冊ほどございます。この講演内容の詳細にご興味のある方は是非拙著も併せてご参照いただければ幸いです。
 
2008年に『「ジャイロ経営」が社員のやる気に火をつける-パッションカンパニー-』(ファーストプレス)という本を書かせていただきました。2009年には『こうして私は外資4社のトップになった』(東洋経済新報社)が、そして昨年は『一流の人たちがやっているシンプルな習慣』(フォレスト出版)が出されました。そして本年5月にはもう一冊、国立ウェールズ大学MBAの田所邦雄教授との共著で、本日の講演内容に沿った内容のものが上市される予定です。出版社の編集のご担当者が今日ここにお見えになっていますので、あとでパーティのときにもご紹介できると思います。
 

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