コラム

  1. HOME
  2. コラム
  3. グローバルエイジ
  4. 第11回ブレークスループロジェクトが求められる背景にある、「未来に向かった価値観の変化」とは

人が集まり、互いが成長する組織 ~人・組織への投資と、学習・成長の仕掛けによる戦略~

第11回ブレークスループロジェクトが求められる背景にある、「未来に向かった価値観の変化」とは

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

ブレークスループロジェクトのような現場起点の活動が、人・組織面、ビジネス面などあらゆる点で効果を発揮するのはなぜでしょうか。その背景には「仕事に関する価値観の大きな変化」があります。それは、「昔こうだったのが今はこうなった」という過去形の話ではありません。今まさに起きつつあり、これからも続いていく変化のことです。ブレークスループロジェクトは、この「未来に向かった価値観の変化」を先取りしているからこそ、参加者はみな前向きに、元気に取り組むことができるのです。

そんな「未来に向かった価値観の変化」の中から代表的なものをいくつか取り上げてみましょう。

変化1:誰もが多くの情報にアクセスできて、指示を受けなくても自律的に仕事ができる環境になってきた
以前と比較すると、上司から指示を受けなくても仕事を進められる人が多くなりました。理由はいくつかありますが、最大の理由は、誰もが仕事に関連する情報に簡単にアクセスできるようになったこと、そしてチャットツールなどで常に情報共有が可能になったことでしょう。仕事の状態がわかっていれば、自分のミッションが明確である限り、やるべきことはおおよそ見えます。

個人の生活も同じです。様々な情報に容易にアクセスできる今日、どうすればいいかわからないときも、検索さえすればたいてい解決できます。つまり、仕事上でも生活上でも、誰かが細かく指示したり管理したりする必要がなくなっているのです。必要ないのに指示・管理されると、人は効率の悪さを感じ、リズムが崩れて仕事も生活も楽しくなくなります。

その点、ブレークスループロジェクトでは基本的に指示・管理は行われません。すべてのメンバーが自律的・有機的に動くことを前提としているので、プロジェクトが進むにつれ各メンバーの裁量権はどんどん広がっていきます。その結果、組織は活性化していくのです。

変化2:組織の上位者に意思決定を仰ぐよりも、AIなどを活用してその解析結果データから自分で判断したほうが早くて的確、という場面が増えてきた
仕事の中でAIを活用する機会が増えています。過去の経験知やデータが十分に蓄積されていれば、AIが解析結果を瞬時に出してくれます。それに基づいて判断するなら、誰がやっても結果はそう変わらないことが多くなってきました。例えば「V特性を持つ地域店舗でA広告とD店頭販促を投入した結果について、他の3つの方法を採用した場合と比較すると、効果が30%以上高かった」とわかれば、その効果的な手法を使うという判断は誰でもくだせます。

しかし現実にはどうでしょう。こうすればいいとわかっているのに上位者に判断を仰がなければならず、そのために時間を要したり、無駄な会議に出なければならなかったり。場合によっては決定を先延ばしされたりするかもしれません。これではフラストレーションもたまります。

今後さらにAIが仕事の中に浸透してくると、意思決定は現場の最前線で進むようになります。意思決定→行動→行動結果のデータ解析→振り返り→次の意思決定と、仕事のスピードと精度はどんどん上がっていくでしょう。

ブレークスループロジェクトでは、行動した結果のデータをできるだけ記録し、次の効果的な行動の資源として投入します。意思決定はメンバー自身、もしくはコンパクトなプロジェクト組織内で迅速に行いますから、上述のようなフラストレーションは発生しません。

メルマガ会員登録

記事をご覧いただくには、メルマガ会員登録が必要です。
メルマガ会員登録は、無料です。
是非、この機会に、メルマガ会員登録をお願い致します。
メルマガ会員登録はこちらです。

ニューチャーの書籍ご紹介

『顧客経験価値を創造する商品開発入門』
『顧客経験価値を創造する商品開発入門』
「モノづくり」から「コトづくり」へ 時代に合わせたヒット商品を生み出し続けるための 組織と開発プロセスの構築方法を7つのコンセプトから詳解する実践書
高橋 透 著(中央経済社出版)
2023年6月29日発行
ISBN-13 : 978-4502462115

 

『デジタル異業種連携戦略』
『デジタル異業種連携戦略』
優れた経営資産を他社と組み合わせ新たな事業を創造する
高橋 透 著(中央経済社出版)
2019年11月13日発行
ISBN-13 : 978-4502318511

 

『技術マーケティング戦略』
『技術マーケティング戦略』
技術力でビジネスモデルを制する革新的手法
高橋 透 著(中央経済社出版)
2016年9月22日発行
ISBN-10: 4502199214

 

『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
「エコシステム・ビジネスモデル」「バリューチェーン」「製品・サービス」3階層連動の分析により、勝利を導く戦略を編み出す!
高橋 透 著(中央経済社出版)
2015年1月20日発行
ISBN:978-4-502-12521-8