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人が集まり、互いが成長する組織 ~人・組織への投資と、学習・成長の仕掛けによる戦略~

第3回 「企画した戦略の実現手段としての人と組織」ではなく「個性的な人と組織が戦略や価値を創造する」時代へ

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

これまで日本では「企業経営は人や組織を中心としたものであるべき」という考えが一般的で、それに関連した「日本的経営」についての書籍も数え切れないほど出版されてきました。

確かに日本企業の多くは、規模の大小にかかわらず終身雇用や年功的な賃金制度を特徴としてきましたが、本当の意味で社員のアイデアや発想を重視した「人や組織が中心の経営」であったかと言えばそれはかなり疑問です。

■建前と本音

多くの日本企業では、中期経営計画や予算計画を立てるのは経営トップ(あるいは将来の経営者候補である一握りのエリートスタッフたち)であり、各機能部門およびラインの人・組織はそれらの計画を実行するために存在する、というケースがほとんどでした。つまり、「雇用や賃金、福利厚生などは保証するから会社の方針に従って業務に励んでください。みんなで頑張ればいいことありますよ」というのが本音。個々の社員の自発性を尊重し、その個性や創造力を活かした製品・サービス開発や業務改善を行ってきたかと言えば、そうではなかったと思います。

もし社員個人に裁量権があったとしても、それはたいてい、上の人の示した方針や嗜好を踏まえることを前提条件としています。時に入社年次の若い社員に好きなことを企画・実行させる「若手プロジェクト」のようなものが実施されたとしても、内実は若手の不満のガス抜きが目的であったり、出されたアイデアを経営トップが多少参考にしたりする程度で、組織を挙げた本気の取り組みであることは稀でしょう。会社のホームページや年頭あいさつで社長が「社員のみなさんの自発性、創造性を重視した経営にしていきます」と表明しても、それは建前にとどまり、実践に至っていないケースがほとんどではないでしょうか。

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