社会課題解決入門「社会課題解決とは何をすることなのか?」第2回
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
社会課題解決とは何をすることなのか?
①課題解決の仕掛け、構造をつくること
②課題解決をするのではなく、解決し続けること
③決められた解決手段に当てはめるのではなく、つねに組織が学習し続けること
①の「課題解決の仕掛け、構造をつくること」とは、社会課題は複雑で常に変化しているので、その複雑な変化を、目指すべき方向に流れを進める「仕掛け」「構造」をつくり仕組んでおくことです。複雑な変化そのものを推進力にする考えです。ここで大事なことは目指すべき方向をしっかりと持つことです。目指すべき方向を強く持つことで、各組織、個人が自ら変容していき、解決の方向に進むと考えられます。
②の「課題解決をするのではなく、解決し続けること」は、課題解決の終点を置かないということです。終わりのない社会課題に終わりを置くとどうなるでしょうか。人や組織は課題解決を終わらせるように努力し、本来の課題解決とは異なる方向に進んでしまうと考えられます。課題解決の終点を置かないことで、本当の未来志向となり、連続した思考が可能となります。
③の「決められた解決手段に当てはめるのではなく、つねに組織が学習し続けること」は、組織が学習し続ける仕組みを課題解決の中に仕込むことです。組織が学習し続けることとは、視野を広げ、常に発想思考の前提を疑い、環境理解の観点を変えていき、過去にとらわれない新しい解決方法を出し続けることです。最近よく聞くAIのような継続的に学習する仕組みを組織に仕込んでおき、常に学習し続けるようにすることです。