顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第43回「『他社並み』『人並み』からは世界観・ビジョンは生まれない」
商品開発、事業開発で多くの人、企業が悩んでいるのが、独自の世界観、ビジョンを創れないことです。なぜ創れないのか?多くの産業、企業が、またそこで働く人が、市場に向かって標準化を狙うからだと思います。確かに市場で標準レベルのものを創れば安定して売れますが、一方それはコモディティ化、そして低下価格化への線路に乗ることでもあります。顧客経験価値重視の商品開発は、一旦この市場化を否定して、本当に自社、自分がやるべきことを深く考え、体験し続けることから始めなければなりません。それは「売れない」「受けない」という恐怖との戦いなのかも知れません。そういった戦いの結果生まれるのが世界観なのだと思います。
■世界観とは一体何か?
世界観とは、事業の最終的な目的、理念です。その目的、理念が、他にない独自のものでなければなりません。目的、理念とは主に以下の3つを示します。
- この事業は社会の過去の歴史をどう考え、未来をどのように考えるのか(時代感、社会の未来感)
- 社会でどのような役割を果たすのか?(役割、使命)
- 社会にどのような善いことをもたらすのか?(提供すべき善)
この3つにおいて独自性を示すのです。多くの企業の経営理念で、「豊かな社会に貢献する・・・・」といった言葉がよく使われていますが、どのような社会なのか、また未来をどのように見ているかが示されておらず、独自性がなく、ほとんど印象に残らないものが多いのが現実です。バランスが良いことば、誰にでも当てはまる言葉を意識しすぎて、意味が感じられないものになっているのだと思います。このような平均的なワーディングは、大量生産の標準化を志向している、むしろ事業の独自性を打ち消す方向に無意識に進んでいるのだと思われます。そして市場には代わり映えのしない商品が多く出回るという結果を生んでいるのだと思います。
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