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デジタルB2Bマーケティング 第1回:製品特性によって異なるB2Bマーケティング

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

■製品特性によって異なるB2Bマーケティング

「B2Bマーケティングはよくわからない、本を読んでもわからない」という話をよく聞きます。それもそのはず、マーケティング戦略の理論は、基本的にB2C、消費財を題材に発展してきたからです。マーケティングの理論は主には第二次大戦後、大量生産した家電、自動車、洗剤、食品などを、新聞、ラジオ、そしてテレビなど宣伝媒体を使って需要を掘り起こし、普及させるといった方法に関して研究され、実践されてきました。その理論をB2B、生産財に適応していったのがB2Bマーケティングです。

今でもマーケティング戦略の本の多くは消費財を中心書かれたものが多いため、法人向けのビジネスをしている人から見れば「なんかしっくりこない」部分が多いのは当然なのです。また、B2Bマーケティングと一口で言っても、燃料、素材、電子部品、機械部品、機械、制御システムなどかなり製品・サービス特性も多岐にわたり幅が広く、また石油、ガスのマーケティングと制御システムのマーケティングでは特性は異なります。そもそも簡単ではないのです。

■すべての製品・サービスにあてはまる論理などない。自社独自の型をつくることが必要

私もかつて素材産業で仕事をして苦労したのですが、B2Bマーケティングを行う人は、B2Cマーケティングの理論、またはB2Bのマーケティングの理論を、自分がかかわる製品・サービスの特性に合わせて応用しなければなりません。そこがB2Bマーケティングの難しさです。しかしその一方では独自の手法を開発すれば、それ自体がビジネスの差別化になりえます。例えば米国3Mは、アイデアの発想、顧客ターゲットの見つけ方、提案、普及方法など製品に合わせた独自の方法を開発し、高い利益率を維持しています。センサーメーカーのキーエンスも、多種多様な市場に対し、営業と開発が一体になってマーケティングし、時には製品を開発し、さらにそれを産業横断で効率よく横展開し、30%以上の営業利益を維持しています。各社、各製品・サービスの独自のマーケティング戦略がその企業の企業力そのものになっているといえます。

■顧客も複数レイヤー存在し、それをすべて分析しなければならない場合もある

部品や素材、生産設備やシステムなどB2Bビジネスは、消費財と比較し、最終受益者までのバリューチェーンが長く、複数の業界によって形成されていることがほとんどです。例えば自動車部品向け素材は、エンドユーザーまでの間に自社のポジションである素材産業から始まり、部品産業、自動車産業、自動車販売などが存在します。マーケティングの主体が素材産業だとすると消費者も含め最低4つレイヤーを分析しなければなりません。

しかし現実は、自社の先にある取引先の業界のみの分析情報で計画を立てていることがほとんどです。それは分析というより、顧客の仕様対応にとどまってしまっていることが多く、これは仕様対応であり、マーケティングではないのです。

複数のレイヤーをそれぞれセグメントし、ニーズを分析し、戦略を考えるのは容易でなく、気が遠くなる話に思えます。しかしその困難さをいかに超え、自社にしかわからない競争の仕方を発見するかが勝負なのです。

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