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変わらないことは「何事も常に変化すること」 ~今年は挑戦することを習慣にする年にしよう~

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

新年あけましておめでとうございます。本年も皆さまの発展をお祈りいたします。

■変わらないことは「何事も常に変化すること」

昨年は円高、デフレの解消とそれにともなう景気の回復、企業業績の回復、また2020年東京オリンピック開催の決定など、例年と比べ明るい話題が多い年でした。一方、領土問題や首相の靖国神社参拝による中国、韓国との冷え切った関係は日本の経済、社会に重たくのしかかっています。また、原子力の放射能処理問題はじめ、東日本大震災の復興もまだまだ大きな課題です。

 一方海外に目を向けてみると、中東やアフリカ、中国などでは、既得権益を守る者に対し、情報武装化された一般大衆が貧富の格差是正や汚職の徹底追及を求めて、民主化運動、さらにはそれが暴動、テロに発展することも多くありました。高度に情報ネットワーク化された現代社会では、そのような変動が瞬く間に広がり、私たちの経済、社会に大きな影響を与えます。

 一年を振り返ってみると多くの変化、変動があり、景気は上向いてきたといえども、先が見えにくく、依然厳しい一年であったと感じます。皆さんの職場、業界でも多くの変化があり、それを乗り越えてきた一年であったかと思います。

そう考えると、常に変わらないのは「何事も常に変化する」ことだけと言えます。

 

「結果を出すこと」が経営

 変化、変動する社会、経済の中にあっても、企業に求められるものは、結果を出すことです。企業経営は結果を出せなければ、市場から退場を求められる厳しい競争社会です。お客様も社員も、サプライヤーも結果を出せない会社、組織、人からは離れていきます。もちろん理念や企業の社会的責任をはたすのはその大前提です。

 結果を出すためには、まずは社会、経済の変化、動向を読まなければなりません。しかしいくら著名なエコノミスト、アナリストであっても、世界経済、産業の将来動向を正確に読み解くのは不可能です。ましてや我々は企業経営に携わっているのであって、予測を専門にしているわけではありません。年度末、年初に立てた経営計画が、3ヶ月もしないうちに、環境がすっかり変わってしまい、あてにならなくなることがしばしばです。しかしこのような中でも私たちは常にビジネスの結果を出すことを求められています。

 

積み上げ発想を捨て結果から考える

 予測は大事であるが、予測することには限界があります。しかし企業経営は結果を残さなければならない。このような状況で、どのような企業経営が適切なのでしょうか?

 まず大事なことは、過去の延長戦で決められたことをコツコツやることではなく、常に結果から物事を考えるように思考転換しなければなりません。なぜなら今は求められる結果に対し、実施するべき施策は必要に応じて常に変化させる必要があるからです。

結果を出すための環境が常に変化するからです。かつてと異なり、計画通り一生懸命積み上げていってもそこには求められる結果には到達しないと言う残酷なケースが最近多い様に思えます。結果を出すために手段を大胆に変えることは、組織集団の伝統、習わし、勤勉さを大事にしてき農耕民族である日本人の弱いところかもしれません。

 しかし変化の多い現代では、その時々で「求められる結果に対して何をすべきか」「今行っていることは結果に対して本当にインパクトあるものか?」といったことを問い続けなければなりません。結果から考えることによって、結果に直結しない仕事を止め、結果に対し効果的なことに人、モノ、カネなどの経営資源を投入することができるようになります。

結果から考えるとは例えば「3年後にシェアを20%から35%にする」と言う中期の戦略目標に対し、「今年中に首都圏の主要顧客でのシェアを30%以上にする。」といった年間の目標を設定することです。さらには「そのために90日で主要3社のシェアを25%から40%にする」という今1年間での結果を出すための、効果的な施策とその目標を考えなければなりません。結果を考えることで、納期と達成水準を伴った具体的なアクションが発想できるはずです。

しかし現実には、中期計画や予算計画でその目標とビジョンがあり、それとはあまり直結しない過去からの延長線上の施策が並べてあることが多いのです。KPI(Key Performance Index)経営と題して、キーとなる重要成功指標を掲げ、目標管理や業績管理をすること企業はよくありますが、成功指標そのものが過去からの発想のものであることや結果に直結しない甘いものが多多くみられます。そのような場合、KPIや個人の目標を達成したとしても、ビジネスの結果は出ません。

 

先が見えない中で、計画はどの程度ブレークダウンすべきか

 では一体、細かな年度計画を立てても環境が変わってしまう中、どの程度の計画を立てるべきなのでしょうか。最近私は、「3年から5年先を遠目にみて、そこへのシナリオを持っておき、1年のゴールを見据え、4半期のシナリオをもち、それを常に意識しつつ、90日短期優先課題に全力を投入する。」ことをお勧めしています。遠くを見ながら、その遠くの戦略目標を達成させるため、身近な課題を突破する。身近な課題を突破することを通じて、同時に将来の目標、シナリオを実現させる「実行力」がついていきます。

 大事なのは、環境が変わる中、細かな精緻な計画を立てることに時間やエネルギーを費やすよりも、競争で勝つための「差別化戦略やビジョン」と「実行」に注力することです。変化の多い時には、実行、行動しながらその変化を認識、適切な手段を選んでいくことが効果的です。

 近年ICT(情報通信技術)が発達し、企業も細かな情報まで入手、管理できるようになりましたが、入手される細かなデーターにこだわるあまり、計画や準備に時間をかけすぎて、大胆な戦略や行動力が失われてないでしょうか。むしろ変化を素早く読み取り大胆にシナリオを描く「動態視力」と、行動しながら解答をみつけていく「行動解」が重要です。

 

目の前の優先課題に全力で取り組む

 結果をもたらすのは、最終的には戦略の効果的な実行力です。変化が多く困難な状況が多い中、経営の重点もこの「実行力」に置かれるようになってきました。

しかし実行力ほど教えるのが難しいものはありません。過去はうまく行っても新しい環境での実行は全く異なるからです。変化の時代は誰しもが第一線に立っているようなものです。また実行力はビジネススクールや企業研修で教えるのが難しいと思います。いくら理論化しても最終的には行動するかどうかが勝負だからです。

私は最近「実行力」を研究するために、経営学者やコンサルタントの方が書いた書籍よりも、野球、サッカー、ゴルフなどのプロスポーツ選手や、プロの将棋の棋士、プロゲーマーの人の書いた書籍を良く読みます。彼らは将来の大きなビジョンは持っていますが、基本的には毎回の試合に勝たなければ生き残っていけません。目の前の試合に全力を投入することで、成長し、力をつけていき、その結果将来の発展性が見込めるようになっていきます。

このことは企業で言うと、優先順位の高い課題に全力投球をし、短期間で成功を収めこれまで以上の能力とモチベーションを身に着けることです。

 

実行力を向上させるのは「自己変革、進化」のプロセス

 環境変化の中で、結果を出すためにその対応力、実行力を向上させることとは結局、自己を変えること、自己変革、進化のプロセスになります。「実行」には、小さな成功と失敗の積み重ねが伴います。しかし、その一つ一つで学ぶことが「自己変革、進化」になります。環境変化に対し、失敗を恐れ挑戦しないのは、学習と成長を放棄することになります。結果を出せないことよりも自分が挑戦しないことの方を恐れるべきです。

 その反対に、失敗を恐れず実行することに挑戦し続けさえすれば、学習と成長が進み、結果を出せる人、組織になるのです。

 

今年は挑戦を習慣にする年!

 今日本経済が上向き傾向にある中、不安を抱えつつも、しっかりとした戦略ビジョンを持ち、これまで誰もやらなかったような新しいことに挑戦し続けたいものです。そのためには挑戦することを習慣化が良いと思います。

 挑戦は小さなことでも効果的です。「新しいプロジェクトを起案し実行する」「部下のメンターになって徹底教育する」「自分の専門分野で論文を書く」「海外ビジネスに徹底して取り組む」どんなことでも良いです。多少は苦労しますが、1年後振り返ってみて成長している自分を感じ、さらに大きな挑戦ができるようになっていることでしょう。

私自身、またニューチャーネットワークスとアジア、今年一年は、これまで以上に挑戦する年にしたいと思います。

 

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