
国内事業からグローバル事業への変革のための戦略的パートナーシップ ―投資ファンド活用の視点―
私は1992年に今の会社を設立いたしまして、1997年からいわゆる投資ファンドの運営を行ってまいりました。それから15年が経ちます。第一号のファンド以来、これまで計5本のファンドを立ち上げて、40社前後に出資しています。そのうち今の時点で半数以上が回収されています。
ここで投資ファンドという言葉が出てまいりますが、色々なタイプのファンドがあります。私どもが取り扱っておりますのは、最近の言葉ですとプライベートエクイティファンドと呼ばれたり、あるいはバイアウトファンドというように呼ばれたりすることがあります。いずれにしても、企業買収を主たる目的とした投資ファンドであるとご理解いただければと思います。
投資先様はおよそありとあらゆる業種に展開しております。企業の規模も、たとえばダイエーというのはその当時売上1兆円、従業員5万人という大きな会社でした。産業再生機構さんから私たちをパートナーとして選んでいただき、いろいろな施策を丸紅さんと一緒に実施しました。一方で、投資先のなかには売上10億、従業員50名という中堅中小の企業さんまであります。
我々の特徴の一つは、香港とシンガポールにもオフィスがあるということです。日本からだけでなく、その二つのアジアの拠点からも、投資先の評価、支援等を行っております。現地にネイティブのスタッフがいるというのが効率的に事業支援をできる強みでもあります。
■日本企業のグローバル化
グローバル戦略について結論的にまとめますと次の3つになろうかと思います。まず、今やグローバル戦略というのが一部の大企業のものだけでなくて、内需中心の大企業、あるいは中堅中小まですべての企業にとって検討すべき戦略的な施策である、ということが第一点です。適切な実行プロセスの管理をしますと、そこで十分な収益が実現できる、あるいはそこで成長機会を獲得することができる、という非常に有効な戦略的な施策であるということがあります。
第二点が、その実行に関して豊富な経験を有した人材の採用とチームワークが必要であろうということ。これは私どもファンドの成功、失敗の様々な経験から感じていることです。企業のグローバル化の経験者というのは、日本の主に大企業のセクターに多数存在しています。そうした方々の経験や情報を共有していただくことで、現地での最適なパートナーの発掘も可能にもなります。場合によっては業界内の他社から人をお招きする、あるいは異業種からグローバル化の経験がある方をお招きする、あるいは中堅企業であれば大企業で経験を積んだ方をお招きして自社のグローバル化のリーダーシップをとっていただく、といったことが可能かと思います。
三番目として、各企業の事業展開、グローバル化に関して、投資ファンドやバイアウトンファンドの活用というのを一つの選択肢としてご検討していただきたいということです。私どもバイアウトファンドというのは、投資先様からフィーをいただいてそれを売上の源泉としているビジネスモデルではありません。投資先様と一緒に、たとえばグローバル化を実現していく、そこで売上があがり、オペレーションが回り、企業価値の向上が実現できた時に初めて我々の経済的メリットを実現することができるのです。したがって投資先様とわれわれ投資ファンドというのは、リスク・リターンの観点から、全く同じ船に乗っていく立場であるということから、リスクを伴う海外への展開、あるいは事業分野の切り出し、そして新しい分野への展開ということに関して、投資ファンドをお使いいただくというのは、一つの有効な施策ではないかなと思っています。
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