
アジア新興国のリーダーシップ ~Singapore Human Capital Summit 2012に出席して~
アジア独自のグローバルリーダーシップの議論ために1000人が参加
先月2012年9月、シンガポール・ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(Human Capital Leadership Institute、略称HCLI)が主催するSingapore Human Capital Summit 2012(SHCS2012)が開催され、弊社ニューチャーネットワークスからも私、高橋透とコンサルタントの佐藤千鶴子が参加した。
シンガポール政府の人材局および人材開発局が後援しており、主催国のシンガポールはじめ、インド、フィリピン、マレーシア、インドネシア、中国、そして日本など、アジア各国の行政や大学などの教育機関、企業、NPO組織の人材開発にかかわる人々が1000人近く集まり、講演や質疑を行い、自由席のラウンドテーブルでは自由に意見交換する有意義な機会であった。
SHCSの開催目的を公式に言うと、現在、世界経済の中心になりつつあるアジアにおけるグローバルリーダーの育成のコンセプトと方法を、地域、国籍、産業、立場を越えて広く議論し、互いに知見を高めるといったことである。
一方でシンガポール政府の本音としては、欧米や日本はじめ世界の企業、組織のグローバル本社もしくはアジア地域本部を誘致し、シンガポールの国家財政を豊かにし、経済の活性化を導くことであろう。そのためにシンガポール政府は、税金や土地建物の優遇策を用意し、さらにはグローバル人材開発、優秀なタレントが世界中から集まるようなグローバルリーダーのメッカにしたいと考えている。そのシンボリックなイベントとして、このSHCSをシンガポール政府主導で開催しているのだ。東京都とほぼ同じ広さの国土で人口は約600万人弱という都市国家の、独自のポジション戦略と言える。本会議には、シンガポールの次期首相と期待されている財務大臣のTharman Shanmugaratnm氏も参加され、その様子が翌日の新聞でも大きく取りあげられていた。シンガポール政府の、アジア経済のグローバル化の拠点としてのポジション獲得への強い意気込みを感じた。
正確な数字は解らないが、日本からの参加者は産業界、学会など50名弱で、英語でのコミュニケーションが苦手な日本人向けに、会議前日の9月18日にジャパンセッションを開催しており、私たちもそれに参加した。早稲田大学商学部の大滝令嗣教授やHCLIの役員のKwan Chee Wei氏がファシリテーターを行ってくれて、日本企業のグローバル化に関して日本企業同士、またシンガポールの政府の方々や大学教授と有意義な意見交換を行った。
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