顧客経験価値のための商品企画開発の実践

第51回「ソリューションやクリエーションのコンセプトづくりが商品開発」
商品とは、顧客と企業をつなぐ重要な媒体ではないかと思います。確かに商品は、企業が顧客に提供するものではありますが、商品は顧客に利用され、部分的に改良され、また使い方が工夫され、顧客の暮らしや仕事などで「経験」され、その存在が実感されるものになります。この経験は顧客だけでなく企業にも存在します。企業は、技術開発や製造プロセス、サービス提供などの様々な活動を商品という形にし、その商品を通じて顧客の経験を創り上げるという経験を得るのです。
家電や自動車などのハードウエアだと少し考えにくいのですが、スマホのアプリや、サブスクリプションなどのサービスだと商品は顧客と提供者双方の経験を生成する媒体という概念はあまり違和感がないと思います。家電や自動車のようなハードも、ネット化され、また利用価値を販売するサービスに進化してきましたから同じように考えてもそう無理がなくなってきたと思います。
このように顧客経験価値を重視した場合の商品開発戦略は、過去の、決められたスペック、価格、パッケージといった固定的なゴールありきのものではなく、顧客と企業の相互関係から生み出される経験を表現するものでなければなりません。一方で経験は、その内容がわかりにくくなりますから、その本質をいかにわかりやすく伝えるかが大事な課題となってきます。
「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)
「メールを何往復もさせるより、一杯飲んだ方が気持ちはつながる。」(サントリー)
こういった生きた商品や事業キャッチコピーが顧客経験価値の本質を表す手段となり得ます。
記事をご覧いただくには、メルマガ会員登録が必要です。
メルマガ会員登録は、無料です。
是非、この機会に、メルマガ会員登録をお願い致します。
メルマガ会員登録はこちらです。