コラム

  1. HOME
  2. コラム
  3. グローバルエイジ
  4. 仕事の効率化が生産性の低下を招いてませんか?

仕事の効率化が生産性の低下を招いてませんか?

ニューチャーネットワークス シニアコンサルタント
張 凌雲

■本当にやるべき、やりたい仕事が1日でどれぐらいできているのか

 皆さんは日々の勤務時間の中で、自分が本来行うべき仕事をどれぐらい行えているでしょうか?いつもそれなりに忙しくしているけれど、1日が終わると「今日やろうとしたことをほとんどできなかった」と思う方も多いのではないでしょうか。以前、主にデスクワークを行っている担当者の業務を分析したところ、その人が本来行うべき業務は、業務時間のうち少ない人で3割、多くても6割ぐらいしか行っていないという結果が出ました。
 働き方改革のための施策の取り組みによって仕事が効率化され、業務に集中できるどころか、むしろ、本来やるべき仕事が出来ず成果を出せない、または先延ばしになるケースが見られます。今回のコラムでは、仕事の効率化が、逆に仕事の非効率を引き起こしてしまうケースとその対応を紹介します。

■効率化の取り組みが招く、組織的な非効率

 仕事の効率化の取り組みが結果として非効率を招く原因は、その取り組みによる目先の効果や成果が重視され、他者や他部門に及ぼす影響が考慮されないことです。主な例を以下に4つ挙げます。

①管理職、キーパーソンへの業務集中による非効率

 残業時間の上限規制が厳しい中、限られた時間で仕事の成果を出さなければなりません。自分の仕事を優先的に進めるため、上司や同僚に相談や確認が必要な場合には、相手の都合を考えずに「ちょっといいですか?」、「直ぐにお返事ください」など、自分都合で相手の仕事に割り込むことが多々起きています。仕事に割り込まれた人は、作業・集中力が断たれ、生産性の低下を招きます。
 ミドルマネジメント(特に課長レベル)が、日中は部下につかまって全く自分の仕事ができずに、仕事が溜まっていく一方という話はよく聞きます。そのため、決裁やメールの返信が遅くなり、組織全体で仕事が滞留、手待ちが発生します。
 このような状況を防ぐために、ある組織では、管理職の権限を部下に移譲し、意思決定のスピードを上げました。また、別の組織では、部下が上司と打合せ・相談する時間をあらかじめ確保し、仕事の手待ちを防ぐなど、非効率を防ぐための仕組み変更・ルール作りを行い、成果を上げています。

メルマガ会員登録

記事をご覧いただくには、メルマガ会員登録が必要です。
メルマガ会員登録は、無料です。
是非、この機会に、メルマガ会員登録をお願い致します。
メルマガ会員登録はこちらです。

ニューチャーの書籍ご紹介

『顧客経験価値を創造する商品開発入門』
『顧客経験価値を創造する商品開発入門』
「モノづくり」から「コトづくり」へ 時代に合わせたヒット商品を生み出し続けるための 組織と開発プロセスの構築方法を7つのコンセプトから詳解する実践書
高橋 透 著(中央経済社出版)
2023年6月29日発行
ISBN-13 : 978-4502462115

 

『デジタル異業種連携戦略』
『デジタル異業種連携戦略』
優れた経営資産を他社と組み合わせ新たな事業を創造する
高橋 透 著(中央経済社出版)
2019年11月13日発行
ISBN-13 : 978-4502318511

 

『技術マーケティング戦略』
『技術マーケティング戦略』
技術力でビジネスモデルを制する革新的手法
高橋 透 著(中央経済社出版)
2016年9月22日発行
ISBN-10: 4502199214

 

『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
「エコシステム・ビジネスモデル」「バリューチェーン」「製品・サービス」3階層連動の分析により、勝利を導く戦略を編み出す!
高橋 透 著(中央経済社出版)
2015年1月20日発行
ISBN:978-4-502-12521-8