
既存技術での異業種市場参入
■革新的技術か既存技術か?
ビジネスの競争とは新たな価値を発見、創造し、他社が真似できない体制を創りだすことで利益を獲得し続けることです。多くの日本企業では既存事業はすでに成熟化し、利益獲得が難しくなっており、新たな価値を発見、創造することが今求められています。
その様な環境の中で、ホンダのジェット機ビジネスへの参入、富士フィルムの化粧品ビジネスでの成功、キリンビールの発酵技術による医薬品事業への参入など、既存事業の技術を梃子にした異業種市場参入が企業に安定的な成長をもたらしています。
一般的に、製造業にとって新たな価値を発見、創造するためには、革新的な技術を開発することが必要であると考えられがちです。革新的技術とは、いわゆる先端技術、ハイテクと呼ばれているものです。確かに先端技術開発は重要ですが、その多くは研究開発や製品化まで相当な時間を要し、また成功し事業化するまでのリスクが高いものです。また、それらは広く社会で注目されるため新規参入者も多く、競争が激しくなる傾向があります。
そこで弊社ニューチャーネットワークスが最近重視しているのが、既存の事業で磨いた技術を異業種の市場へ展開する“技術マーケティング”です。技術マーケティングでは既存技術を中心とするため、中核となる技術開発は必要なく、製品・サービス化までの時間が短くて済む傾向があります。また、すでに既存事業での実績があるため、顧客を説得しやすいことも利点です。その既存技術による異業種市場への参入が、新市場の創造ではなく、既存の製品・サービスからの置き換えであれば、市場参入のリードタイムを短縮でき、売上獲得の確率も高くなります。同時に、既存技術は人材やノウハウ、設備などの経営資源の転用も可能で、それらを新たに獲得しなくてもよい場合もあります。
しかしその一方で、既存技術の異業種市場への展開はその市場の文化、習慣、制度を理解し、すべての業務を構築することが求められるため、長年展開してきた既存事業がかえって邪魔し躓きが多くなる面もあります。同じ様な技術でも、新市場での製品・サービス化、ビジネス化に当たっては大胆な発想転換、組織行動変容が求められます。
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