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ニューチャーネットワークス創立20周年に「失敗を恐れず行動し続ける」ことを再認識する

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

2015年新年あけましておめでとうございます。
昨年に引き続き、ニューチャーネットワークス、ニューチャーアジアをどうぞよろしくお願いいたします。

■2015年ニューチャーネットワークスは創立20

 今年2015年、ニューチャーネットワークスは創立20年になります。時間の経つのは早いもので1996年1月に創立したことがついこの間の様に思えます。20年もの間、事業を継続できましたのも、お客様やパートナー企業の方々、相談に乗ってくださった周りの方々のおかげと、この場をお借りして、心からお礼申し上げます。

■1996年創立当初「こんな不安な時代に無謀だ」と言われた

 設立した20年前の1996年の翌年1997年には、山一証券の経営破たん始め、大手銀行の経営危機に伴う政府の資本注入などの直前で、日本の経済社会は先行きが見えず、極めて不安な時期でありました。その様な中で会社を設立しました。当時周りの多くの方は「こんな不安な時代に無謀だ」「厳しくなる世の中で食っていけるかどうかわからない」と感じられていたかと思います。はっきりおっしゃっていただいた方も何人かおられました。実際私もその通りだと思いました。20年たった今、どうでしょう。残念ながらその不安は当時とほとんど変わりません。今でも「無謀で、食っていけるかどうかわからない」のです。

 確かにこの20年の間、世の中の変化が増大し不安は多くなる一方でした。しかし同時にその変化による機会も多くなりました。そのころからインターネットが急速に普及していき、私の知り合いでも5人以上が、ベンチャー企業を株式上場させました。またビジネスチャンスが日本だけでなくアジア新興国はじめグローバルに広がりました。海外で大成功する人も多くみられました。国内でも大企業の系列が壊れ、人も組織も実力で判断されるようになり、起業して間もない人にはむしろビジネスチャンスが増えました。

■この20年で身に着けたこと

 この20年で私自身も得られたものは、それなりに多いのですが、最も大きな成果とは、「自分自身を経営の実験台に置くことで、何かに挑戦しつづけないと生きていけないこと」をあまり意図せずに体得してきたことです。その結果何が残ったか。自社の経営における数えきれないほどの失敗です。大きな失敗、辛い失敗、情けない失敗などなど。経営・事業コンサルタントでありながらです。著名な大学の先生などがよく「失敗が大事」と言われますが、その点で私は、超優等生であります。そして社員はじめ周りに多くの迷惑をかけました。その経営の失敗を反省し、振り返ってはいますが、大きな成功に結びつけられているかといえば、残念ながらそれもNOです。しかし諦めてはいません。ゴルフと同じでワンチャンスで大きく成功に展開するかもしれません。(ご期待ください)

 今後私が成功するかどうかはさておき、「結果としてこの20年で何かよいことがあったのか?」と聞かれれば、「不安や危機意識を起爆剤にそれを反転させ『失敗を恐れず行動する』ことを体質として身に付けることができたこと」だと思います。負け惜しみでもなんでもなく、これは非常にラッキーだったと思います。それはなぜか? お客様の経営自体が厳しくなり、安泰企業など無くなってしまったからです。お客様のビジネスや組織に関して強い不安感と危機意識をもち、しかしそれをポジティブに『失敗を恐れず行動する』ことがコンサルタントとして求められたからです。

■最も厳しい「製造業の技術開発、新製品・新事業開発」コンサルティング

 まさに「失敗を恐れず行動する」でこの20年、自分のための勉強もあり、管理会計、人事・組織、プロセスマネジメントなど様々なコンサルティングテーマに取り組んできましたが、終始一貫して取り組んできたテーマは、製造業の技術開発、新製品・新事業開発です。コンサルティングのテーマとして最も失敗の可能性の高いテーマです。業務改善、組織変革などの経営テーマも簡単ではありませんが、新製品・新事業開発は別次元です。ほとんど何もない中から商売をつくっていかなければならないからです。自分の会社ならともかく、お客様の仕事です。失敗が許されない中で、幸いいくつかの成功もありましたが、はやりここでも沢山の失敗がありました。

 事業開始当時は、「社長、今度のプロジェクトは完全に失敗し大きな損失を出しましたので、御社には今後出入りしないようにいたします。申し訳ありませんでした。」とよく謝っていましたが、「いやいや、気にしないでください。そのうち何か結果がでますよ」と言ってくださる役員、部長が比較的多かったのです。数年すると、確かに失敗プロジェクトのリーダーやメンバーが、他の新事業で成功したり、成長して大きな組織の長になったりしました。その中には上場企業の社長や役員になった方もおられます。

 これもお客様の新製品・新事業開発に携わる方々から学んだのですが、諦めずに粘り強くやり続けることで、最後はなんとか成功する、少なくとも成長したり、変化に強くなったりして生き延びられることです。「失敗を恐れず行動し続ける」ことで、「生き延びる力」「生命力」が付くのです。当時のお客様の役員や部長の方々は、それをご自身でよくわかっておられたのだと思います。おかげさまで出入り禁止になったお客様はありませんでした。

■今後の私とニューチャーネットワークスの挑戦

 さて今後私とニューチャーネットワークスはどんな挑戦をするかをお伝えしたいと思います。まず会社の重点をざっと言えば、これまでよりも一層「技術とグローバル化に強いコンサルティング会社をめざします。」です。これには様々な理由がありますが、私や弊社の社員が、超最先端の技術開発やそれによる新製品・新事業の話をしている時間が何ともいえない幸せを感じるからです。その時間は、時が経つのを忘れ、夢が広がり、パワーも湧いてきます。その理由は、技術は私たちの生活、産業、社会全体にイノベーションを起こす可能性があるからだと思います。

 ここ最近、技術のイノベーションよりもマネジメントのイノベーションに議論が偏りがちのように思えますが、依然技術は社会を変える最も重要なキーファクターであることには変わりありません。むしろその重要性は高まっています。したがって技術を語る際には、技術の文脈性(コンテキスト性)が大変重要になっています。技術の文脈性(コンテキスト性)を重視することとは、技術が単に製品やサービスを創りだすだけでなく、様々な形で広く普及伝搬し、ビジネスモデルやさらにはエコシステム(産業生態系)、つまり社会そのものを進化させる可能性があるという認識です。その対象は当然グローバルです。ICT(情報通信技術)を見ればそれはわかります。ICTに限らず、今後すべてのモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の時代になれば、これまでよりも技術の行く先の視野を広げ、その文脈性を構想していかなければなりません。

■産業や専門を超えた大々的な研究活動に挑戦

 技術のイノベーションの点から言いますと、昨年末に弊社は、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)様より「高信頼多機能ウェアラブル・バイタルサインセンサの用途開拓・普及事業」の委託を仰せつかりました

 この委託事業で弊社ニューチャーネットワークスは主に、ヘルスケア向けのウェアラブル・バイタルサインセンサを、社会に適切に普及させるため、病院や薬局などのご協力による実証実験や、著名な医師、大学研究者、材料、電子デバイス、情報通信、医療サービスなどのエコシステムともいえる大きな組織での、研究会の運営を行います。様々なウェアラブル・バイタルサインセンサが存在する中、医療、ヘルスケアに貢献できるウェアラブル・バイタルサインセンサとその活用はどうあるべきかを、各専門家が意見を出し合い、共創・創発的にその戦略ビジョンを構想し、具体的なハード、ソフト、サービスの共通仕様を作っていきます。国際標準化も狙っていきます。

 すでにいくつかの研究会が始まっておりますが、ウェアラブル・バイタルサインセンサに関して電気通信の方だけでなく、医学、薬学、介護などの医療ヘルスケア専門家や、部素材の専門家との活気ある意見交換がなされております。

 このようなコンソーシアム形式の事業開発が今後の事業成功の鍵となると思われます。本研究会に限らず、電子部品、素材、バイオ、精密機器、機会などのお客様の技術イノベーションを、製品・サービスにするだけでなく、バリュー・チェーン、さらには複数企業でのビジネスモデル、「エコシステム・ビジネスモデル」として構造化し、成長させるよう、努力してまいりたいと思います。

■2月『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』を出版

 技術イノベーションを支援するツールとして、これまで長い間、研究、実践してまいりました競合ベンチマーキングと競合戦略の手法を『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』というタイトルで、中央経済社様より2015年2月に出版いたします。本書の特徴は、競合ベンチマーキングを過去または現在の競合の製品・サービスだけで行うのではなく、競合のバリュー・チェーン、エコシステム・ビジネスモデルなどまで広げて、技術から生まれる文脈(コンテキスト)で比較分析し、文脈(コンテキスト)としての競争戦略を企画構想するというコンセプトで書かれたものです。全部で300ページ以上にもなり、読むのには少し骨が折れますが、技術イノベーションにかかわる方にはぜひお読みいただきたいと思います。

 さらに、2015年は、「技術マーケティング戦略」や「新製品・新事業開発」にかかわる書籍の執筆も予定しております。

■上智大学で学生向け授業「グローバルベンチャープログラム」をスタート

 グローバル化という点においては、弊社の専門領域である、新製品・新事業開発の専門知識や、Google、Amazonなどのボーングローバル企業の研究を活かし2015年より学生向け授業「グローバルベンチャープログラム」を行います。この授業では、上智大学の建学の精神に則り、グローバルベンチャー企業のみならず、国際的なNPO(非営利団体)、医療、介護などの社会性の高い企業や組織の設立のための理念の形成、戦略ビジョン企画構想、組織構築、資金調達、スタートアップなどを学びます。各テーマで、グローバルに活躍するイノベ―ターをお呼びし、短い講演をしていただき、それを題材に、ゲストスピーカー、講師と学生が双方向で議論する形で進めます。若い学生さんがこの授業とワークショップを通じ、何を感じ、考え、そして行動してくださるかが楽しみです。それが私の学習そのものです。

■期待と希望をもって1年間進む

 2015年どのような年になるのか?たった1年のことですが、何が起こるか明確には誰も解りません。予測していたとしても、予測以外のことが必ず起こります。その不安と危機感こそ「失敗を恐れず行動し続ける」原動力です。むしろ生き延びる覚悟と行動力を持つことで、期待と希望を抱き、一年間進みましょう。期待と希望が生き延びる力になるはずです。

 

 今回のコラムでは2015年にニューチャーネットワークスが実施することのいくつかを紹介させていただきました。冒頭で述べました通り、「未知なものへの挑戦」がニューチャーネットワークスの基本精神です。それには周りの皆様のご理解、ご協力が必要かつ重要であります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

ニューチャーの関連書籍

『デジタル異業種連携戦略』
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優れた経営資産を他社と組み合わせ新たな事業を創造する
高橋 透 著(中央経済社出版)
2019年11月13日発行
ISBN-13 : 978-4502318511

 

『技術マーケティング戦略』
『技術マーケティング戦略』
技術力でビジネスモデルを制する革新的手法
高橋 透 著(中央経済社出版)
2016年9月22日発行
ISBN-10: 4502199214

 

『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
『勝ち抜く戦略実践のための競合分析手法』
「エコシステム・ビジネスモデル」「バリューチェーン」「製品・サービス」3階層連動の分析により、勝利を導く戦略を編み出す!
高橋 透 著(中央経済社出版)
2015年1月20日発行
ISBN:978-4-502-12521-8