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顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「組織能力をアップさせる方法」第4回

ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透

仕事の中で自由に使える時間を確保する

以前は社員をいかに「管理」して仕事をさせるかという考えが主流でしたが、ビジネスを成功させる上で、アイデアやコンセプトといった発想が最も重要な現代では「管理」ではなく発想しやすい「自由な環境」が求められます。新型コロナの影響で在宅勤務を余儀なくされ、現実的に「管理」は難しくなり、社員の自発性、自主性に任せざるを得ない状況になってしまいました。また新型コロナ問題が発生する前から大手の企業でもシェアオフィスを借りたり、社内にコラボレーションしやすい空間を設けたり、フレックスタイム制度やフリーデスクにしたり「自由な環境」が求められていました。

空間と同時に時間の自由度も大事です。米国スリーエムでは、古くから15%ルールという制度があり、「仕事の時間の15%は、自分の好きな研究に使ってよい。その権利は原則上司も侵害できない権利である」と決めていました。そういった制度に支えられたスリーエムの企業文化から、ポスト・イット® やダイノック™ フィルムやスコッチガード™のようなヒット商品が数多く生まれています。社員の自発性、創造性を信頼した素晴らしい制度だと思います。スリーエムを見習って米国Googleなどでも似たような制度があるようです。

社員の立場で考えると、こういった時間、空間の自由度を上げるとどのような思考や行動になるのでしょうか?想像に難くありません。多くの社員が「仕事を楽しみながら、実力をつけ、しかし成果を出さないといけない。」と思うのではないでしょうか。「楽だから休んでいよう」などと考える人はほとんどいないと思います。自分自身の実力をあげ、社内外どんな環境でも自分の得意な領域で「食っていける」ようになること、「エンプロイヤビリティ」を高めることを求めるはずです。数々のヒット事業、サービスを生み出しておられる起業家で「起業は意志が10割」の著者の守谷実さんは「会社のプロから仕事のプロへ」と、誰しもが新事業開発に参加し、リードできるようにと、サラリーマンの意識改革を呼びかけています。とても大事なメッセージだと思います。

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