顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「顧客経験価値を創造できる人になる方法」第3回
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
顧客経験価値を創造できる人になるための7つの考え方とコツ②自分の感覚(Sense)、感情(Feel)をセンサーにする
人は、怒り、悲しみ、妬み、誇りなどの感情を持ちます。「感情」を持つこと、表現することは、極めて個人的なもので、時にはやっかいなことになる可能性もあります。「認知科学」が一般的になってきた今では、人が持つ「感情」は長い間、人類が構築してきた環境変化に対応するための重要な反応と考えられるようになってきました。感情は、予想できないゆらぎやイレギュラーなことはあるものの、外部環境の刺激に対する情報処理とその結果としての反応行動と考えられています。
新たな顧客経験価値を創造、発見するには、自分自身を一種の感覚、感情センサーとして捉え、自分がどう感じ、考えたかを客観的に認識する方法を身につけることが効果的と考えます。
そのためには自分自身の感覚、感情のセンサーをある程度鋭くしておかなければなりません。具体的には味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚などの感覚、喜び、悲しみ、怒り、哀れみ、楽しみなどの感情です。まずは自分で行動し経験してみること、その経験から感じたことを認識し、言葉にしたり、絵にしたりして表現することが大切です。さらにそこから新しい意味を持つ経験をイメージしたり、デザインしたりすることに挑戦します。「自分ならこうしたら楽しいなあ、嬉しいなあ」といったことをイメージするのです。そのためには自分の感覚、感情をうまく解放し、自由にしてあげないといけません。感覚、感情の解放の邪魔になるもの、つまりノイズを取り除くことも必要です。