顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「顧客経験価値を創造できる人になる方法」第8回
顧客経験価値を創造できる人になるための7つの考え方とコツ⑦:小さく始める、スタートアップを経験する
①何事も小さく始める
原則的ではありますが、何事も小さく始めることが良いと思います。小さく始めれば、以下のようなメリットがあります。
- 失敗しても大きな問題とならない
- 時間的にも、金銭的にも負担にならない
- いろんなことを試せる。試行錯誤が可能
- すぐに取りかかれる、早い段階で始められる
- 短期間で成果が見られるのでモチベーションも上がる
- 自分一人でもコントロールできる
小さく始めることは、少しずつ進めるのでプロセスを重視することになり、顧客経験価値のアイデアやヒントを発見しやすくしてくれます。例を挙げます。
「有機農業でとれた野菜とフルーツを中心としたカフェを開業する際に、通常ならば店舗を構える必要があるが、大きな投資はリスクが大きい。そこでまずは自宅のキッチンを改装して有機野菜を材料にしたクッキーを作り、ネットで販売することにした。その過程で顧客の反響がつかめ、またネット販売なので顧客属性も把握できた。
顧客の要望に応じて毎回試行錯誤し、改良もできた。常連客を集めたSNSコミュニティもつくり、顧客も自分も一緒になって商品開発を行った。もし店舗からスタートしていたら開業が3年先であったが、ネットで始めたので3ヶ月でスタートできた。」といった感じです。小さく始めれば、顧客と協業して顧客経験価値を創り上げることも可能となります。
②スタートアップを経験する
スタートアップを経験することとは、必ずしも起業することや、スタートアップ企業に参画することだけではありません。大きな企業の新商品・新事業開発の仕事に関わったり、組織横断的なプロジェクトに参画すること、自分が住む地域で新しいプロジェクトを立ち上げたり参加することでも良いのです。要は、先が見えにくい状況で、そのプロセスを楽しみ、偶然をも取り込みながらなんとか進む旅(ジャーニー)のような体験をすることです。
こういった先が見えにくい体験は、顧客経験価値に近いのです。顧客もまた、結果が簡単に解ることよりも、予想以上、予想外の体験、サプライズを楽しむことを期待しているからです。
予想以上、予想外の体験、サプライズは、頭だけで考えるよりも、何かを試してみたときに発見することが多いのではないでしょうか。予想しにくい状況の中では行動することが良い結果を導きます。行動力が大事なのです。先が見えない状況の中で行動する力をつけることが重要なのです。