顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「顧客経験価値を創造できる人になる方法」第7回
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
顧客経験価値を創造できる人になるための7つの考え方とコツ⑥:プロセスを重視する
企業経営や組織運営で結果を重視し、財務目標成果やその達成KPIを設定したりすることが当たり前になり、結果が重視されるようになりました。商品企画開発でも、どれだけ売上を上げるのかという結果を重視します。
しかし、実際には顧客は結果だけでなく、企業のプロセスに注意を払うようになってきています。商品を企画開発するプロセスでどんなストーリーがあったのか?環境によい素材を使っているのか?そのためにどんな努力をしたのか?顧客の見えない部分でどのように品質を維持しているのかといったことです。SDG‘sでは、サステイナブルな社会を実現するために企業で働く人の環境までもが問われています。裏を返せば商品そのものだけではたいした違いを出せなくなってきているのかも知れません。
顧客経験価値重視の商品開発はまさに、商品が開発、製造され、顧客に届き、利用され、利用した後までの各プロセスとそこから生まれる体験の価値を重視するものです。
では我々はプロセスを重視した仕事をしているでしょうか。ついつい売上や利益という結果を意識しすぎ、顧客経験価値創造にとって重要なプロセスを見失いがちです。プロセスを再認識するためには、顧客にプロセスを見てもらうことが効果的だと思います。顧客は我々作り手以上に、プロセスに関心を持ってくれることが多いのです。商品企画開発の場に顧客を招きワークショップを実施するのもよいと思います。
仕事だけでなく、普段の生活でもプロセスを見直してみることもよいと思います。子育て、部下育成などの場面でもプロセス重視はとても役に立ちます。時間がかかるプロセス一つ一つを観て、評価してあげることは、自分自身がそこから学ぶことにもなるのです。