
東日本大震災で浮き彫りになった我々日本人の思考の問題点
ニューチャーネットワークス 代表取締役
高橋 透
■東日本大震災で浮き彫りになった我々日本人の思考の問題点
3・11東日本大震災から3ヶ月が経過し、一時期の危機的な状況は、乗り越えたかのように思えるが、冷静に振り返って日本の政府はじめ関係組織の対応を見ていると、いまだその体質はほとんど変わっていないままである。第二次世界大戦時に匹敵する極めて甚大な被害を受けた日本は、このまま何ら本質的な変化もなく、静かに衰退していくのか?そんな不安な思いさえする。この機会に日本人の思考の問題点と今後のあるべき姿を深く考えてみたい。
震災後これまで日本政府、関係組織に対して、マスコミや有識者から、多くの問題が厳しく指摘されているが、それらを整理するとおおむね以下の通りである。
- トップのリーダーシップがない、決断プロセスがない
- 決断、意思決定が遅く、それが二次的被害の拡大につながっている
- 組織縦割りで対応がバラバラ
- 俯瞰したマクロな視点が欠けている
- その場しのぎ、対処療法的である
- 現場を無視した施策が多い
- 情報が開示されていない。閉鎖的である
- 危機意識が欠けている。意識にばらつきがある
しかし、残念ながらそのような批判の一方で、自治体幹部、企業経営者、大学などの研究機関、各専門家、マスコミ、そして我々自身もなかなか本質的な解決策を見いだせないでいる。このような事はこれまでにない現象である。今回の東日本大震災の問題の実態を今一度冷静に観てみると次のような特徴が挙げられる。
- 地域住民の生活、健康、環境、日本の経済産業、さらには国家間の問題など、問題の範囲が広すぎてその実態すらつかめず、何が問題なのかがわかりにくい
- それぞれの問題が複雑な相互関係を持ち、連鎖していて、どこから手をつけて良いのかがわからない
- 問題の実態が掴みにくいのでトップダウンで指示を出せない。また意思決定の影響力が大きく、しかも極めてリスクが高いため、意思決定が困難である
- その一方現場からボトムアップで対処しようと努力するが、解決出来るのはほんのごく一部で全体の問題解決にはならない
- これまでの専門的知識、経験、解決方策があまり役に立たない。体系だった問題解決方法がなかなか見当たらない
- 与えられた時間が少ない。限られた時間で問題解決しなければ問題は拡大していく。常に問題が現在進行形である
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