顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「組織能力をアップさせる方法」第2回
トレーニングも兼ねた実践的な商品開発研修を定期的に実践する
商品開発のツールが整備されていれば人材育成も実施可能となります。商品開発プロセスを少し簡略化したものをトレーニングのツールにし、社内で人材育成もできます。
人材育成は大きく、短期間の研修とOJT(On The Job Training)による実践形式の研修の2つに分かれます。
短期間の研修は、ケースを使った研修または知識を中心とした研修があります。お勧めはケースを使った実践型の研修です。商品開発は論理や知識でカバーできないスキル的な部分が多いため、やはり実際商品開発に取り組むことで手法が身につきます。期間は内容によりますが、アイデア発想から事業構想書まで2日間ほどが適切だと思います。
OJTによる研修は、実際の商品開発に参加していく中で知識、スキルを身につける方法で、経験が重要な商品開発ではこれが必須といえます。OJTでは単に商品開発プロジェクトに参加するのではなく、現状の知識・スキルレベルの確認、プロジェクトを通じて新たに学ぶ知識・スキルとその達成レベル、学習の方法などをあらかじめプロジェクトリーダーや上司と確認した上で、プロジェクト期間中、定期的に知識、スキルのチェックを行います。そういった準備や実施フォローがなく単にプロジェクトに参加してもあまり大きな成長は望めません。また、商品開発のプロジェクトリーダーの個性や癖が出やすい業務ですが、そういったことに過度に依存しない教育方法ともいえます。
このようなOJTでの商品開発の知識、スキルの習得状況は、人事プロファイルに記録されるのが望ましいです。知識、スキルレベルが業績評価や昇格・昇進の重要な参考データとなるのです。また目標管理のベースにもなります。
さらに商品開発の社内トレーナーを育成確保することも可能です。これも商品開発のツールが標準化され、ある程度の教育が存在すれば経験のあるベテラン社員をトレーナーとして指定し、コーチングしてもらうこともできます。