顧客経験価値重視の商品企画開発を実践するトレーニング「顧客経験価値を創造できる人になる方法」第5回
顧客経験価値を創造できる人になるための7つの考え方とコツ④社会課題を考え、実際に行動する
社会課題を考えることは、個人においても顧客経験価値を創造する上で大事な思考です。
個人で社会課題を考えるには、マスコミの情報や関連する書籍を読むことも大事ですが、なにより身近なことに注意することが大事です。例えば、自分の親が高齢になり介護が必要になったら、日本社会の高齢化を当事者として実感することができます。また週に何回かのゴミ出しの際にゴミの量と内容物を把握しておくことは、環境問題に関して考える機会になります。ポイントは当事者としての立場を活用し、社会課題に関して真剣に考える機会をつくることです。
さらに大事なのは、その社会課題を深く知り、解決するために「行動すること」です。高齢化の問題であれば、お世話になる介護士の方から介護の実態や問題に関してお話を伺ったり、介護士の勉強をしたり、時に介護施設でボランティア活動をすることなどです。現場で行動することで、生の情報が集まり、また当事者としての問題意識が高まり、さらには介護される高齢者の方やご家族の抱える現実の問題や課題を実感することができます。
このように社会課題もマスコミや書籍などの「文字情報・知識」だけでなく、自分自身の実体験を元にした問題・課題意識と顧客経験価値のイメージが大事なのです。
個人で社会課題を意識するには、自分に身近なことで社会課題テーマを少なくとも3つ以上は持っておくことです。地方の過疎化、貧困家庭、生活習慣病など、自分が直接接点を持つテーマがよいと思います。テーマを意識することで、ネットやマスコミの情報、自分の周りの情報などを気に留めるようになり、その結果多くの情報が蓄積されます。
さらに集まった情報や問題・課題に関して自分なりの解決アイデアを整理し、文章やプレゼンテーションスタイルにしてまとめ、ネットや会合で発信する機会があれば、人的ネットワークが拡大し、よりテーマに関する知見が深まると思います。