
【報告】長岡技術科学大学客員教授 吉澤厚文先生講演「我々は失敗から何を学ぶべきなのかーレジリエンスを高めるためにー」第4回技術者交流会を開催いたしました
2025年7月18日(金)ニューチャーネットワークス主催 第4回技術者交流会を開催しました。
今回はスペシャルゲストとして長岡技術科学大学客員教授の吉澤厚文(よしざわあつふみ)先生をお招きし、
「我々は失敗から何を学ぶべきなのかーレジリエンスを高めるためにー」
と題して、大変示唆に富むご講演をいただきました。
福島第一原子力発電所での事故対応を例に挙げながら、“結果は因果律で説明できると考え、人をリスクと捉える”という従来の安全の概念「Safety-Ⅰ」から、“人間の対応力を緊急事態からの回復を導くファクターと捉え、人を事故の進展を食い止めるための資源として捉える”新たな安全の概念「Safety-Ⅱ」への見直しが求められていることをご教示いただきました。
失敗原因を除去するアプローチに慣れ、夢中になってリスクを減らすプロセスにおいて、気づかないうちに成功要因も除去してしまっていないかという問いかけが印象に残りました。
講演後の懇親会も、短い時間ではありましたが、皆さまに積極的に交流いただけたかと思います。
前回に引き続き今回も、異業種でのつながり・人のつながりの重要性を改めて感じました。
【第4回技術者交流会開催概要】
- テーマ:失敗から何を学ぶべきかを考える
- 対象 :技術者の方、技術に興味がある方、新規事業・商品開発に関わっている方(ニューチャーネットワークス・吉澤先生とお付き合いのある方限定)
- 日時:2025年7月18日(金) 18:00~20:30
- 定員:30名 ※先着順
- 場所:TOMOSUBA 東京四ツ谷店
- イベントページ:https://urakou004.peatix.com/
【講師略歴】
吉澤厚文(よしざわあつふみ)氏
東京電力ホールディングス株式会社 フェロー/長岡技術科学大学客員教授
1983年東京電力㈱入社。福島第一、第二、柏崎刈羽の各発電所、本社原子力関連部署にて、主に原子燃料、安全に関わる仕事に従事。1995年からはHarvard大学日米関係プログラムアソシエイト、2001年ISL(Institute of Strategic Leadership)プログラムを修了している。
2011年3.11東日本大震災時には、福島第一原子力発電所ユニット所長(5,6号機)の立場で免震重要棟に泊り込み事故対応に当たる。その後、本店原子燃料サイクル部長、原燃輸送㈱代表取締役社長、国際廃炉研究開発機構 専務理事、日本原子力発電㈱フェローを経て、現在東京電力ホールディングス㈱フェロー、および長岡技術科学大学技術開発センター客員教授。
事故対応の経験を活かして、安全の新たな概念Safety-IIや、レジリエンスエンジニアリング(RE)の方法論を用いて広く安全性の向上に役立てようと活動している。
[経歴]
1983年4月:東京電力株式会社 入社
本店、福島第二原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所などに勤務
2000年6月:福島第一原子力発電所 技術部 技術担当 原子炉主任技術者
2003年10月:東京支店 荻窪支社 副支社長
2005年7月:原子力・立地業務部より日本原燃株式会社へ出向
2009年7月:福島第一原子力発電所 ユニット所長(5・6号機)
2011年12月:原子燃料サイクル部長
2013年6月:原燃輸送株式会社 代表取締役社長
2016年6月:技術研究組合 国際廃炉研究開発機構 専務理事
2017年6月:日本原子力発電株式会社 フェロー
2019年6月:博士(工学)取得
2020年4月:東京電力ホールディングス株式会社 フェロー/長岡技術科学大学 客員教授
[学歴・資格]
1958年生まれ。東京工業大学 機械物理工学科卒業、同大 修士課程(原子核工学)修了(1983.3)、原子炉主任技術者、第一種放射線取扱主任者、博士(工学)( 2019年長岡技術科学大学)
[所属学会]
日本人間工学会、日本原子力学会、日本機械学会、日本MOT学会