宮本常一という昭和の民俗学者がいる。日本の地方の村々を回り
地域の庶民の生活文化を膨大な記録として残している。
1981年に他界しているが、たくさんの書籍が出版されている。
私が知ったのは宮本氏が他界した後だが、どの著作を読んでも、
何か新しい発見をくれる。
宮本氏の著作を読んでいると、戦前の日本は今よりもオリジナリティ
豊かな社会だったんだなあと思う。地域にそれぞれの祭りがあり、
山車があり、唄があり、食べ物があった。
今のように物が無かった時代だから、周りのものを工夫してつくる。
当然オリジナルなものになったのだろう。
選択肢多い現代。
ついついランキングトップやお勧めに頼りがちであるが、
オリジナリティはかえって失われているのかもしれない。
むしろ物が少ない時代の方がオリジナリティがあったというのは、
なにか皮肉な気がする。
今は宮本氏の「宮本常一とあるいた昭和の日本」(農業文社)という
のを読んでいる。