自動車、電機、機械など日本を代表する産業が、いま窮地に立っている。これまでずっとモノづくりに徹してきて、米国の金融危機を発端とする世界経済の大波が、日本のモノづくりを飲み込もうとしている。
思いを込めて建設してきた工場、設備を廃棄し、一生懸命育ててきた人材、長年の蓄積による技術、技能が今失われようとしている。大変つらく、耐え難い苦しみである。
しかし、我々は今日の状況になってしまった本質的な背景を考えてみなければならない。
・本当に必要とされているモノを構想しつくってきたか?
・技術があるからつくってきたモノはないか?
・シェア競争にばかり注力し、顧客を見失っていなかったか?
・会社と自分の本当の成長を考えてきたか?
・モノ造りは単にモノを造るだけでよいのか?モノづくりの本質とは何か
を考えてきたか?
・有限な資源を大事にしてきたか?環境保全を考えてきたか?
このように考えてみると、問題は内側にもあることがわかる。そして今を変えよう、新たに挑戦してみようと思えてくる。
問題の真の解決方法を探るには、会社や組織の内側から深く考えてみることも重要であると思う。