歴史的にも、経済、社会の先が見えない、見えにくい時代である。
政治、ビジネスでもそして個人の生活でも先を見通すこと、
つまり“ビジョン”ということばがあるが、
ビジョンには二つの持ち方、創造の方法があるように思える。
一つは、周りの環境の変化や大きな潮流を客観的に捉え、
自社や自己の位置づけを見いだしていく方法。
もう一つは、毎日生きて行くために全力投球していく中で、
自ずから見えてくるもの。
これは毎日単に仕事をやっていればよいというのではなく、
現実の仕事の中に、将来の変化やイノベーションが
“すでに起こった事実”として存在していて、
それを把握するということなのであろう。
どちらの方法も重要なのであろう。
どちらかが効果的ということでもない。
2009年11月23日 | カテゴリー:
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自動車、電機、機械など日本を代表する産業が、いま窮地に立っている。これまでずっとモノづくりに徹してきて、米国の金融危機を発端とする世界経済の大波が、日本のモノづくりを飲み込もうとしている。
思いを込めて建設してきた工場、設備を廃棄し、一生懸命育ててきた人材、長年の蓄積による技術、技能が今失われようとしている。大変つらく、耐え難い苦しみである。
しかし、我々は今日の状況になってしまった本質的な背景を考えてみなければならない。
・本当に必要とされているモノを構想しつくってきたか?
・技術があるからつくってきたモノはないか?
・シェア競争にばかり注力し、顧客を見失っていなかったか?
・会社と自分の本当の成長を考えてきたか?
・モノ造りは単にモノを造るだけでよいのか?モノづくりの本質とは何か
を考えてきたか?
・有限な資源を大事にしてきたか?環境保全を考えてきたか?
このように考えてみると、問題は内側にもあることがわかる。そして今を変えよう、新たに挑戦してみようと思えてくる。
問題の真の解決方法を探るには、会社や組織の内側から深く考えてみることも重要であると思う。
売上前年比20%ダウン、前年比15%アップなどと言った表現が、マスコミの
記事に多い。これは量的拡大を前提とした表現である。国内だけを考えると多く
の市場が規模的拡大を望むこと自体あまり意味のあることではなくなってきてい
ることが多いのではないか。ブランド価値を向上させてくれる顧客との取引や、
魅力ある品揃えや、スタッフなどの「企業の資産」や、利益率のアップなどの生産性
効果性の方が重要になってきている。
経済や企業経営にとって規模的成長がかつてよりも意味を持たなくなってきて
いるのと同様、個人の生活も同じようなことが言えるのではないか。給与の多さ
財産の多さよりも、誇りある仕事、充実した時間、好きなことに熱中できること
など、「人生の質」が大切にされてきているように思える。発想の転換が必要で
ある。
2009年8月24日 | カテゴリー:
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なぜ新製品が思ったより売れないのか?
なぜ人や組織が思うように動いてくれないのか?
なぜ自分自身のモチベーションが上がらないのか?
一つの理由に、経営の理論やデータに依存しすぎていることが上げられると思う。
企業の製品やサービスは人が買ってくれるものであり、企業は人が動いて業績が上が
るものであり、仕事をするのは自分自身である。全て人である。人は必ずしも理論、
データだけで判断しない。思想や感情で動く部分も大きい。
経営には理論やデータが大変重要であるが、最後は五感で感じることをも統合し、
表現したり、判断できなければならないと思う。
毎日の仕事や生活の中で、五感を大事にしたいものである。
2009年8月19日 | カテゴリー:
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四半期、半期決算の結果、企業業績も回復の方向に向かい、株価1万円以上が1週間以上続いている。しかしまだ大半の企業は前年比80%ぐらいの業績にとどまっており、本格的な景気回復とまではいっていない。そのような状況の中で、前年比120%、140%の業績を上げている企業や組織、担当者がいる。共通していることは
①目標を達成するためのアクションプランの種類がライバルの3倍ぐらい多く、あの手この手を徹底的に試している。
②顧客ターゲットの狙いに間違いがない。努力しても無駄な顧客に時間をかけていない。
③これまでの常識にとらわれない、ユニークな発想がある。
④失敗したことをくよくよしない。常に前向きで、トライ・アンド・エラーをすばやく行っている。
⑤製品、サービスの良さの本質を丁寧に、粘り強く説明し、顧客を説得している。
⑥顧客のために、所属組織を超えた活動を行っている。
⑦年間計画、半期、四半期、月、週、日の計画が連動している。中期の成果を考えつつ、短期でもがんばれる。
などです。
業績が悪くなっていく人や組織は、業績を上げるための行動や思考よりも、愚痴や文句、言い訳を考えたり、話したりする時間が長い。
2009年8月12日 | カテゴリー:
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今日昼過ぎ、以前ビジネススクールのインターンとしてアルバイトをしてくれていた中国人の元メンバーが、おいしいケーキを持って弊社を訪ねてきてくれた。
大手商社の重要な関連会社で食品関連のサプライチェーンの仕事をしている。2年前よりもずっと成長し、活躍している様子がうかがえた。日本、中国の食の事情など大変ためになることを教わった。
海外だけでなく、国内でも外国人と方と仕事をすることが多くなっている。実際の仕事となると大変な苦労がある様だ。言葉の問題もあるが、なんと言っても価値観の違いを理解し、それを超えて仕事を進めることが難しい。仕事、生活、生き方、世界にはたくさんの地域文化や個人の個性がある。
最近では、外国人との関係だけでなく、日本人どうしの間でも、価値観が相当異なってきた。年齢、性別だけでなく、生き方、生活での価値の置き方も以前よりも多くのタイプがある。
現在何かのリーダーとして仕事をする人が最も苦労しているのは、仕事場所が国内外にかかわらず、この価値観の違いを理解することではないだろうか。
まずは人それぞれ価値観が違うと考えなければならない。違う価値観を理解する心のキャパシティがなければならない。これはなにか書物を読んで解ると言うより、厳しい経験を通じてしか理解できないことのような気がする。しかも単に海外で仕事をしたとか生活をしたことがあると言うだけではなさそうだ。
それと価値観の違いをこえた強い理念やビジョン、目標を構想する力がなければならない。その魅力が人の価値観を超え、また価値観の違いを活かしてもくれる。
さらに仕事をする上では、忍耐が必要である。相手の価値観を理解する、説得する、成果を出す。並大抵のことではない。しかし、異なる個性のぶつかり合いでうまれた成果は何よりもすばらしいものであろう。
中国人の元インターン生と会うことができ、そんなことを思った。
2009年7月30日 | カテゴリー:
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米国大リーグ・ニューヨークヤンキースの松井秀喜は、友人と食事をして、どんなに遅い時間に自宅やホテルに帰っても、バッティングフォームをチェックするために、素振りをするそうである。ジャイアンツ時代は、遠征先のホテルで夜中に素振りをしていると、長嶋監督が突然訪ねてくることもあるそうだ。当の松井選手も驚くこともなく、真夜中の指導を受けたそうである。
将棋の天才的名人の羽生善治氏は、対局の当日、講演会のある日、何かで将棋会館へ出向く日、どんな日でも毎朝、書店で販売している詰め将棋の本を10ケース解くことにしていると、NHKのTV番組で話していた。
サッカーワールドカップ代表のキャプテンで、横浜マリノスの中澤佑二選手は、休みの日も、近くの小学校や友人のフットサルの練習に行っているそうだ。常に毎日ボールを蹴っていなければ、感覚が落ちるそうだ。毎日練習していてもあまり疲れないとも言っていた。
超一流選手は基礎を大事にする。毎日規則的に基礎を磨く。ビジネスでもプロと言われる人は、必ず毎日「基礎」を磨いている。朝早く店頭に立つ、工場を一回りする。部下の話を聴く。自分の机の上を掃除する。データをチェックする。顧客からのクレームを確認するなど。
基礎は思考のエンジンをスタートアップさせる役目を果たす。また、微妙なスキル、思考などのズレを修正してくれることや、微妙な環境の変化を感じ取ることなど様々な効果があると思う。
2009年7月28日 | カテゴリー:
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今日から「こちら戦略編集局」と題し、私高橋透のコラムを始めます。
タイトルに「戦略」とあり難しそうに感じるかも知れませんが、企業経営に限らず、社会の変化、個人の生き方、考え方なども「戦略」の一部分として、お話できればと思っています。
コラムを書くに当たって、あらためて「戦略」とは何かを考えてみると、戦略とは「人や組織がおかれた時代で、どう生きぬくか」の考え方と方法とも言えるのではないかと思います。自分だけでしっかり計画を立てたとしても、常に環境は変わります。おかれた環境の変化とうまく共生しながら、自分の生き方をその都度柔軟に「創発」していくことが大切なのではないでしょうか。
このコラムで私が発信したことで皆さんがよい方向に変化し、その変化から私自身もよい影響を受け、よい方向に生きて行ければと思います。
できるだけ書き込みが途切れないようにがんばります。
2009年7月26日 | カテゴリー:
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