New Product Concept Making

新商品コンセプトメイク

新商品の成功の8割以上、つまりほとんどは「コンセプト」で決まります。「コンセプト」とは、意味を持った概念です。意味とは誰かのためのもので、その誰かとは企業の場合、主には顧客です。また顧客ばかりでなく、社員や取引先にも多くの協力と関わりを引き出す上で「意味」は重要です。では意味とは何かと考えると、人それぞれが持つ自分らしさ、ありたい自分、信条に対する関わりや励ましのようなものです。大げさな言葉になりますが、生きがいや自己実現といったようなものになります。商品コンセプトメイクとは、このような「意味」を商品や関係性として形づくり、それを維持発展させるものです。その仕組みのことをビジネスモデルとも呼びます。独自のコンセプトを見つけるためには、提供側が他にない独自の価値観を持つことが重要で、それは理念やビジョンであり会社や組織の根源的なものです。

実際の新商品コンセプトは、市場調査などのデスクワークよりも、作り手自身の顧客の観察や対話、行動、など「自身の顧客経験」から創造されます。そういった自身の顧客経験の積み重ねが革新的な商品コンセプトを生み出します。今の多くの企業は、この「自身の顧客経験」が欠落し、「過去のデータ」を使った競合分析や市場分析などに依存しており、冷たい市場取引関係の中で、低価格とそれを実現するためのコストダウンで疲弊しているケースが多いと思います。

企業経営の基本単位である商品の作り方、顧客への提供の仕方、顧客との関係のあり方を抜本的に見直し、組織に革新を起こすのが新商品コンセプトメイクの役割です。

 
対象部門
  • 既存商品のリニューアルを担当する商品企画開発部門の方
  • 組織横断の新商品開発プロジェクトのリーダー、メンバー
  • 新商品・新事業開発、新分野開拓などに関わる方
  • 研究開発部門で新テーマ探索をご担当されている方
成果
  • 商品コンセプトの基本構造を理解します
  • 顧客の経験価値の構造を理解します
  • 商品コンセプト企画のための顧客の理解の各種手法を身につけます
  • フィールド調査の実践的な手法を習得します
  • 商品コンセプトの表現方法を学びます
メソッド
  • 顧客経験価値分析
  • コンセプト原型
  • コンセプト検証、創造のためのフィールド調査手法(タウンウォッチングなど)
  • コンセプト企画
  • コンセプト企画提案書
  • 効果的なコンセプト表現方法
ステップ
Step 1

「製品・サービス企画力」とは?
「コンセプト力のある人」とは

  • コンセプトとは何か?
  • コンセプト力とは業種、専門、分野に限らず必要なコアスキル
  •  今活躍している人は「コンセプト力のある人」
  •  コンセプトづくりとは、分析するのではなく、独自の視点で統合すること
  •  自分の好き、嫌い、心の声を聴く力が大事
  •  社会の流れを俯瞰して認識する
  •  日常生活、仕事、学習の中でのコンセプト力の鍛え方
Step 2 製品・サービスコンセプトとは
何か?
  • 製品・サービスコンセプトの背景文脈の認識、問題意識
  • 自分の独自の観点、強みを生かした発想
  •  周辺要素との関連性、文脈性(コンテキスト)
  •  多面的なアイデア発想の重要性
  •  コンセプト仮説、原型づくり
Step 3 デザインシンキングを活用した
製品・サービスコンセプト
  • デザインシンキングとは
  • デザインシンキングを活用した製品・サービスコンセプト
  • 認識する背景文脈―問題意識、背景
  • 誰を狙うか―ターゲット顧客
  • どのシーンか?―顧客の状況とニーズ
  • 惹きつける魅力の構造―製品・サービスコンセプト
  • コンセプトの提供スタイル―製品・サービスの提供形態
Step 4 顧客提供価値を企画する
  • 顧客にとっての価値とは何か
  • 顧客ベネフィットの構成を熟考する
  • 3つの顧客ベネフィット
  • 顧客のコストを徹底分析する
  • 顧客の間接コストを下げる
  • 価値のバランスのとり方
Step 5 観察(観る)調査による
コンセプト仮説の検証
  • 何を調査するべきか?(顧客、競合製品・サービス、社会トレンド)
  • なぜ文献、データの分析が通用しなくなってきているか
  • 顧客の価値観、行動と潜在的ニーズをつかむ
  • 自分の価値観を明確にする
  • 自分の主観を入れ、対象物に参入しながら観察する
  • 共通体験から気づく自己実現的、情緒的、機能的ベネフィット
  • タウンウォッチング手法とは
  • コンセプト表現方法
    • キャッチコピーとは。コピーライティングの重要性
    • コンセプトを短いワンワードで表現する
    • コラージュによる表現方法
    • スケッチによる表現方法
    • 試作品による表現方法(機能施策、モックアップ)
    • コラージュやスケッチによるコンセプト表現の実習
     ・言葉以外の表現の重要性、デザインの重要性。
     ・ビジュアルで考える方法
     ・デザインの基本。カラー、形、素材感など
     ・身近にできるコラージュ作成の方法
     ・下手でもスケッチが大事
Step 6 ビジネスモデル企画
  • ビジネスモデルとは、なぜ重要か
  • 顧客経験価値を創り出すのはビジネスモデル
  • コアコンピタンスの企画
  • コアコンピタンスへの情報フィードバック
  • 収益構造
Step 7 コンセプトと
ビジネスモデル実現課題
  • あるべき姿と現状のギャップが課題
  • 新製品・サービスの課題
  • マーケティング開発課題
  • 技術開発課題