戦略仮説検証のための市場調査

複数の有望市場を並行して調査する

■複数の有望市場を並行調査する意義とは

技術マーケティング戦略では、初めに市場を特定せず、複数の市場を同時並行で調査分析していきます。

複数の有望市場を並行調査し、ターゲット市場とターゲット顧客を絞り込む流れを示した図

複数の有望市場からターゲット市場、ターゲット顧客を絞り込む

並行調査とする理由はいくつかあります。

・ターゲット市場の仮説があったとしても、実際に複数の有望市場を調査してみると、もっと魅力的なターゲット市場が見つかる可能性がある。
・実際のターゲット市場が、いくつかの有望市場の中のサブ市場として点在している場合がある(特に部材・素材の場合)。
・調査・企画を進めても成功が見えない場合、有望市場調査に戻って優先順位が2番目、3番目だった有望市場を再調査する場合がある。
・複数の有望市場を調査することが、ターゲット市場の分析や、そこに存在するターゲット顧客への提案の際に参考になることがある。
・常に参入市場の選択肢を持ち、交渉力を維持しておくことは大切。市場や顧客を選択する意識を常に持てるようにする。

■有望市場調査の内容

調べる有望市場の数は、プロジェクトの人材資源にもよりますが、7つ程度に抑えましょう。それ以上になると多すぎて共有しにくくなります。仮説で想定した顧客経験価値やコア技術による製品・サービスが実現できそうな市場を、簡単な調査やブレストを通してリストアップし、その中から選択します。

それぞれの有望市場については、以下のような点を調査します。

① 有望市場特性
・市場概要(取引される製品・サービス、主な顧客、参入企業、業界動向)
・市場規模、成長性
・市場のライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)

② 参入企業動向
・主な参入企業名
・参入企業の動向、戦略

③ 技術動向
・重要な技術とその将来動向
・最近話題になった技術開発

④ 有望市場セグメント、顧客動向
・有望市場セグメント
・有望市場セグメント別市場規模、成長性
・有望市場セグメント別顧客動向(顧客の戦略やニーズの変化)

⑤ 想定獲得シェア
・有望市場の中で競合となる参入企業の製品・サービスの代替可能性
・代替の理由、その根拠

各有望市場を市場特性、技術動向、参入企業動向、顧客動向、想定獲得シェアから調査し、ターゲット市場を絞り込む図

各有望市場を個別に調査し、ターゲット市場を絞り込む

有望市場調査は、複数人で分担して行ないます。調査項目が多岐にわたるため、1人で複数市場を調査するのはかなりの負担ですし、たとえ1人1市場を担当しても、どれくらい時間がかかるか見極めるのは簡単ではありません。

そこで、調査分析用のフォーマットを用意しました。このようなA4・1枚のフォーマットに分析結果をまとめていくことを意識すれば、必要時間が見積もりやすくなります。さらに、このフォーマットを70パーセント埋められたら一度皆で共有する、などのゴールを決めれば、調査作業のモチベーションを維持できます。

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