こちら戦略編集局~戦略コンサルタント高橋透の日記風コラム~

真に差別化された知識とは

多くの知識、情報がネットを通じ無料で手に入る時代である。
一方でますます知識や情報が経済の中心になってくるとも言われている。
このような中で、人がお金を払ってくれる知識とはどのようなものなのであろうか。

一つ目は実践知。実践してみないと解らない知識。智恵と言った方が良いのかもしれない。
二つ目は本質知。めまぐるしく変わる時代の変化に揺さぶられない本質を見極める知識。
三つ目は主観知。自分自身の価値観や感性のフィルターにかけて編集したオリジナルな知識。

いずれも知識や知恵というからには、お客様、つまり困っている人に
その知識や知恵を提供することで大きな喜びがなくてはならない。

2009年12月31日 | カテゴリー: 未分類 |

学習意欲を植え付ける

仕事柄、企業の競争力とは何かを考えてみることが多い。
12月29日の日経新聞の朝刊に企業の時価総額の逆転が紹介されていた。
日本電産>日立製作所
ファーストリテイリング>セブン&アイホールディングス
サイバーエージェント>アサツーDK   など。
果たして現在の企業の経済力は何によって成り立っているのだろうか?

①成長する事業ドメインへの転換力
②顧客の価値に結びつく知識、智恵の創出力。
③顧客価値を商品・サービスとして形作り、提供する力

逆転されてしまった企業には多くの貴重な知識、智恵があるように思える。
しかしそれらの企業は、新たな時代を認識する力に欠け、素早く、大胆に
組織体質を変える力が不足しているのではないか。

一般社員の現場を覗くと
「ウチの会社は中々変わらない・・・」
「優秀で人柄が良い社員が多いのだけど・・・」
といったぼやきが聞こえそうだ。

厳しい競争環境を兆しの段階で認識し危機感をもち、思考、行動を
変えることを「学習」と呼ぶが、逆転された会社に足りないものは
「学習の意欲」ではなかろうか。

2009年12月29日 | カテゴリー: 未分類 |

決してテクニックではなく「心の問題」

プロの登山家が最も注意しなければいけない事故とは、90度の険しい
岩肌を登るときではなく、下山途中のなんでもない道での遭難や、
一般の人がピクニックで歩くような山での滑落事故だそうだ。
事故は緊張の緩み、油断から発生する。テクニックではなく心が
最大の問題であると言う。
ビジネスでも同じではないか。「慣れた仕事」「得意な仕事」「昨年と
変わらない業務」「自分ががんばっても会社の業績にはさして影響が
ない」といった「心」が最大の問題である。マネジメントもこの
「心の問題」を真剣に扱わなければならない。

2009年12月26日 | カテゴリー: 未分類 |

管理過多が挑戦する環境を奪ってしまっている

BPR、ERP,CRS、BSC、ISOといったアルファベット3文字の経営管理ツール、
コンプライアンス、カンパニー制、内部統制、リスクマネジメントなどの社内
ルール、規則。ここ10年の間、日本企業はどれほどの管理ツールを導入し
てきたのであろうか。コンサルタントや経営学者が大もうけをし、そのため
多くの社員が本質を忘れたこれらの管理ツールに振り回され、その結果
多くの企業人は”挑戦意欲”を失ってしまっている。管理過多は無駄な
仕事を増やし業績を下げる最大の要因の一つである。今必要なのは
型破りで周りのやる気に火をつけるリーダーである。大きく外れない限り
ミスを許してくれ、挑戦することを後押ししてくれる人である。

2009年12月24日 | カテゴリー: 未分類 |

限界を超える訓練

振り返ってみると80年代から、特に多くの製造業の中で世界トップを走ってきた
日本人は、これからもそれなりに進んで行くのだろうと思ってきたところがある
ような気がする。2008年秋の世界的金融・経済不況が起こり、日本の製造業が
今日の状態になるまで、多くのマスコミが「ものづくり大国」とはやし立て、また
多くの製造業に関わるヒトが現実から目をそらしてきたのではなかろうか。

その間人は冒険を恐れ、はみ出すことを避けてきた。その結果人も、組織も脆弱
になってしまっているように思える。「限界に挑戦」「常識ラインを突破する」
などといったことを経験する人は少なくなってきている。

2009年12月23日 | カテゴリー: 未分類 |

外山 滋比古氏の「忘却の整理学」

ベストセラー「思考の整理学」で著名な文学者、外山 滋比古氏が
「忘却の整理学」という本を出された。発想を刺激してくれる多様な
例が数多く示され、読みやすく2時間もあれば読め、しかも「なるほど」
と納得する内容である。
情報洪水、情報過多の時代で、一方で創造性が重視される
今の時代には「記憶」よりも「忘却」することこそが重要
と外山氏は著書で述べている。
記憶はPCのメモリーにため、またGoogleなどでいつでも引き出せる。
学生時代から習慣化された「記憶する」ことは、時に「思考」の邪魔になる。
「睡眠」もまた記憶を再整理してくれる大変大切な作業だと述べている。
朝仕事がはかどるのも無駄な「記憶」がなく、創造的作業がやりやすいためだと言う。
自分と周りを眺めてみて、なるほどと思った。
日本の企業や組織も「忘却」が必要なのではなかろうか。

2009年12月20日 | カテゴリー: 未分類 |

常識を壊す。自己を否定する勇気

3年ぐらい経って後から振り返ってみると、あのときは時代の変化の
まっただ中であったことに気づくことがある。毎日目の前のことに
追われていると、自分が大きな変化にあることが解りにくい。
2009年という年は、大きな時代の変曲点であるには違いない。
しかし、どれだけの人が、昨年、昨日と違った意識、思考、行動で
生きているのだろうか。
昨日までの常識を疑い、ゼロべースで物事を考えていかなければ
いけない。
自己否定ができるかどうか。今そんな勇気が必要な時なのだろう。

2009年12月19日 | カテゴリー: 未分類 |

中国国籍の企業だが経営と人は米国。技術は世界から

中国の情報通信技術(ICT)の会社で、最近急成長している会社は、企業の国籍は
中国であるが経営スタイルは米国で、そこで働く人の多くが米国育ちということが
多いそうだ。技術のほとんどは外部からの導入技術。国籍、民族、経営スタイル、
働く人、技術スキル、全てに渡ってグローバルレベルでハイブリッド。
しかし、現在の急成長する中国ではそれが最適解。そこには中国企業と一言では
言えない実態がある。そのような競合に対し、“日本企業”はどう対峙するのか。
我々の常識が非常識になりつつある。

2009年12月18日 | カテゴリー: 未分類 |

今、日本人は揉まれることが必要か

先日、アジアで20年以上ビジネスを行う日本人の友人と会った。
最近の日本人は、色々なことに守られていて、
ひ弱になった気がすると言っていた。
彼は現在シンガポールに住み、外国人と結婚し、
複数の企業を経営している。

シンガポールに住んでいると、必然的に色んな人種の人と
渡り合わなければならない。そこで揉まれているうちに、
アジア全体で活躍できる本当のビジネスエリートになったのだと思う。

豊かにはなったが、危機的な状況の日本にとって今、
海外で揉まれることが大事なのではないか。
揉まれると活き活きしてくるし、柔軟にもなるし、機敏になる。
自分を揉まれる状況に放り込む勇気が必要である。

2009年12月8日 | カテゴリー: 未分類 |