News Express

 2011年7月6日

第2回グローバルエイジ研究会を開催いたしました
ニューチャーネットワークス 程塚 正史

2011年6月30日、第2回グローバルエイジ研究会を開催いたしました。5月の第1回と同様、多くの企業幹部や管理職の皆様にお集まりいただきました(研究会の趣旨および第1回の様子はこちらをご覧ください)。事前の準備から当日の運営まで、「グローバルエイジ委員会」の皆様には大変お世話になりました。

研究会の冒頭、弊社取締役の福島彰一郎から、キーノート講演をさせていただきました。グローバルな事業展開には、「ものさし」の違いを認識すること、すなわち、日本におけるニーズを満たしたとしても海外で通用するとは限らないということの認識が必要であると指摘したうえで、現地企業との共生をベースにしたエコシステム構築や、グローバル人材の育成または獲得、グローバル視点からの日本企業の強み弱みの再定義などの必要性に言及いたしました。

  
続いて、株式会社イースクエア(リンクを貼ります)代表取締役副社長の本木啓生様(リンクを貼ります)に、「グローバル社会におけるCSR経営の実践」と題してご講演いただきました。イースクエアは、多くの企業に「持続的価値経営」(SVM、Sustainable Value Management)の実践を支援しています。SVMとは、企業の持続的発展のために、企業価値と社会価値を共に高めるCSR・環境経営です。
企業経営のベースには自然資本や社会があるとしたうえで、以下のようなご講演をいただきました。環境保護や社会貢献活動は、長期的には企業自身のためになると認識する必要があること。その活動は、企業の本業と関係のある分野で行うことが「善の循環」を生み、事業の持続的な成長につながる「トレード・オン(=トレード・オフの反対)」の効果をもたらすこと。今後、環境革新や持続可能性の追求が企業の競争軸として欠かせない要素になってくること、という内容でした。

 
最後にグループ討議を行いました。グローバル社会における日本企業にとっての事業機会とはなにか、そのために構築すべきエコシステムのポイントはなにか、などについて話し合い、第1回同様、様々な意見が交わされました。そのうちのいくつかを以下にご紹介いたします。

  • 社会的価値への貢献と事業とのバランスや、両者の好循環を生み出していること。たとえばファミリーマートは、赤字にもかかわらず被災地の仮設住宅地に出店した。地元のつながりを守る、コミュニティを支えるという点で、赤字以上の価値を提供できている。社会的ニーズにチャレンジするという価値観を共有することは、企業の存在価値を高める。
  • 日本企業の強みは、製品とかテクノロジーとか言われるが、結局は「人」である。現状、ヒューマンキャピタルを活かしきれていない。クロスカルチャーの経験を積ませていないからではないか。いろいろな地域、いろいろな業界の人とオープンにディスカッションしていくことが必要である。
  • 新興国において、Innovativeな製品を日常的に利用する「習慣」をつくる支援をすること。日本製品の持つ高品質さを一方的に売り付けるのではなく、新製品に触れられる機会を設けたり、啓発を行ったりする必要がある。
  • 「課題山積み先進国」として、課題解決の場を提供すること。すでに欧州の機関や米国のベンチャーで見られるように、自らの課題を様々な業界のエキスパートの知識を借りて解決する場を提供することで、日本には各業界の最先端の情報が入ってくる。さらにそれらを活用した新しい提携が生まれ、新しい産業が創出される可能性もある。


 
各グループから、それぞれ特徴のある意見が表出されました。ご出席の皆様のお陰様で、第2回も盛況裡にとり行うことができました。

次回第3回は、日本ケンタッキー・フライド・チキンやナイキ・ジャパン等の経営幹部を歴任され、現在はジャイロ経営塾代表、ワイ・エイ・パートナーズ株式会社代表取締役の秋元征紘様に「グローバル競争に勝ち残れる人材とは」についてご講演いただいたうえで、日本人が目指すべき次世代のグローバルビジネスリーダーについて討議する予定です。
研究会を通じて、グローバル時代の日本の社会に道筋を示す、新たなビジョンを構築することができればと考えております。 

 

NEWS EXPRESSバックナンバー

このページのトップへ