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 2010年5月12日

音響設計の第一人者、清水寧先生をお招きして「アートネットワーク研究会」を開催しました

 
アートネットワーク研究会とは、芸術や文化をテーマに弊社が不定期に開催する勉強会で、スピーカーによる講演と、参加者とのディスカッションを通じた交流をはかっています。
 
弊社がこのような研究会を開催する背景には、全世界的に市場経済が浸透した結果、市場化すべきでない対象まで貨幣換算されてしまったことに対する危機感があります。いまや“自然環境”や、それぞれのコミュニティのもつ“文化”“家庭の愛情”“個人のもつ創造力”といったものまでが市場化され、その本質的な価値が失われようとしています。
 
研究会には、業界は様々ですが同様の危機感を抱く方々や、アートが持っているパワーや可能性を感じている方々にお集まりいただき、広い視点からの意見交換を行っています。
 
2010年4月21日(水)には音響設計の権威であるヤマハ株式会社の清水先生をお招きし、関心が高まっているスピーチプライバシーに関する講演と、実際にヤマハのデジタル・サウンド・プロジェクター(YSP)を使用して、スピーチプライバシーに用いるマスキング音を試聴させていただきました。
 



※清水寧先生研究室
http://www.enveng.titech.ac.jp/lab/shimizu_lab.html

※ヤマハ株式会社HP「スピーチプライバシー」
http://www.yamaha.co.jp/acoust/speechprivacy/
 
最初は人の会話が聞こえてきましたが、人の音声を基にヤマハが開発したマスキング音を重ねると、話声は聞こえますが話している内容は聞き取れなくなります。さらに川のせせらぎや鳥の声といった環境音を組み合わせると、快適な空間を演出する心地よい音になります。音は私たちの生産性を落とすことも向上することもできるのです。
実際に試聴したことで、スピーチプライバシーの重要性を体感することができました。
 
プライバシーに関心が高くスピーチプライバシーの研究も進んでいる北米と比べ、日本では遮音設計の議論はありますが、会話の音もれの程度を総合的に評価するための手法や客観的指標に関する研究は始まったばかりだそうです。
 
設計や建築に関わっている参加者の方々は「1日の中で音を聞かせたい、聞かせたくないとニーズが変化するオフィス設計においても活用できるのでは」「ビルを設計する際に、空調機やエンジン音を防音するためにかかっているコストやスペースを削減できるのでは」など、早速清水先生とのコラボを検討されていました。


ともすれば業界内など狭い範囲でビジネスを行いがちですが、このような研究会を通じて業種を超えた新しいネットワークが誕生することで何かが変革するかもしれません。
 
弊社は今後とも様々な機会を通じて、皆さまの交流の機会をご提案していきます。

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