News Express

 2011年6月8日

第1回グローバルエイジ研究会を開催いたしました
ニューチャーネットワークス 程塚 正史

2011年5月23日、弊社ニューチャーネットワークスが中心となり、グローバル社会における震災後の日本のビジョンを構築することを目指して、第1回目の「グローバルエイジ研究会」を開催いたしました。30以上の企業幹部や管理職の方にお越しいただき、活発な議論が展開されました。開催にあたっては、企画の段階からご協力いただいた「グローバルエイジ委員会」の皆様に大変お世話になりました。
 
「グローバルエイジ研究会」は、東日本大震災という転機を迎えた日本が、今後グローバル社会でどのような役割を担っていくのか、そのためにはどのようなビジョンが必要で、どのようなリーダーが求められているのかについて、3回に分けて議論していきます。1回目の今回は、「グローバルの視点で見た、東日本大震災で表面化した日本社会の問題の本質」について意見を交わしました。
 
研究会の冒頭、弊社代表取締役の高橋透から、問題提起の講演をさせていただきました。震災に起因する問題の特徴について整理したうえで、政府の問題を徒に指弾するのではなく、企業も同じような課題を構造的に抱えているという視点を提示いたしました。課題として、内向き志向であること、トップマネジメントの戦略構想力が不足していること、エコシステムなどのオープン競争に弱いこと、などが挙げられました。
 

 
 
続いて、イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社の代表取締役社長、 サンチョリ・リー様にご講演いただきました。サンチョリ・リー様は、スウェーデン企業のIKEAにて、日本第一号の船橋店の立ち上げを皮切りに、日本でのIKEAの展開にご活躍されました。現在代表取締役社長を務めるイー・エフ・エデュケーションは、語学教育や研修旅行、文化交流などを実施している、世界最大級の私立教育機関です。
世界中に日本の人材を送り出し、グローバルな交流の機会を生み出している立場からお話しいただきました。日本人は真面目で頭が良く信頼できるというポジティブな面を前提としたうえで、「不確実性のある事象を避ける傾向」や「個人主義が根付いていない」という課題を抱えていると指摘されました。求められるのは、自ら責任をとって新しいことにチャレンジする、失敗を恐れない企業家精神とのことでした。
 

 
 
そして30名前後の参加者を6チームに分け、皆様に活発な討論をしていただきました。皆様、普段の立場を超えて、グローバルネットワーク時代で活躍する一人としてのご意見を発していらっしゃいました。見解やアイデアを書いたポストイットには、従来の社会に対する洞察に満ちた反省や、新時代のビジョンともいえる金言至言が散りばめられていました。すべての議事を紹介することはできませんが、いくつか引用いたします。

  • 「和」を過度に重んじる文化によって、余計な波風を立てないようにするあまり、当然想定するべき危機への対応を軽んじてしまっていた。
  • Homogeneityという意味において一体感、連帯感を持っていて、身内に対しては優しいが、異質なものに対しては排他的であった。
  • 海外において、日本の政治や経済だけではなく、文化的認知を高めて、国際的なプレゼンスを高めていく必要がある。
  • 日本は「課題山積先進国」になった。課題解決の「場」を提供することで、平和な世界へのリーダーシップをとっていくべき。

最後に行った各チームへのでも、鋭い意見がぶつかり合いました。このような点においても、馴れ合い社会ではない日本に向けて離陸する萌芽を感じる研究会となりました。
一方で、研究会の時間が2時間半と短く、まだまだ話し足りないという声も聞かれました。より濃密な議論ができるよう、事務局としても工夫を凝らしていきたいと思います。
 


 
次回の研究会では、企業の環境・CSRコンサルティングを行っている、株式会社イースクエア代表取締役副社長の本木啓生様に「グローバル社会におけるCSR経営の本質」についてご講演いただいたうえで、日本企業にとってのグローバル市場における事業機会やビジネスモデルのポイントなどをテーマに討議する予定です。
研究会を通じて、グローバル時代の日本の社会に道筋を示す、新たなビジョンを構築することができればと考えております。
 
 

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